繋がらない 2


『羽島幽平、ドッキリ企画で指きり飛ばしギリギリ!』

そんな見出しの雑誌があった。
へえ。"羽島幽平"か〜知らないな。誰だろ。とか思いながら読んでみると…おかしいな。


一通り読んだ所、有名な芸能人らしい。
しかし、この雑誌に書いてある番組名を何一つ知らない私。
しかもこのドッキリ企画とやらがやったのは一昨日ではないですか。
ありえない。だって一昨日はドッキリなんてどの局もやらなかったはず。

更に読み込んでいくと話題の芸能人やら番組やらのことも書いてあった。
けれど私はこの雑誌に書いてある情報を何一つ知らない。
芸能人もテレビ番組も何も。


そこでいつの間にやら同じ雑誌を手に取ってる人が隣りに立っていた。
二人組の男だった。
まあ同じ雑誌を読んでる人はその内の一人…金髪バーテン服の人だけだったんだけど。
なぜバーテン服…バーテンダーなのかな。



「お。静雄、お前の弟また表紙飾ってんのな。ドッキリのか〜あれは驚いた」

「トムさんもすか。俺もこれ見てて肝心のとこでテレビ壊しちまって…」

「はは。心配性だな。ドッキリでよかったな」

「この羽島幽平さんて有名な方なんですか」

「あ?」



気がついたら声をかけてしまっていた。
それに当然のごとく疑問符を浮かべて私の方に視線をやる男性2名。
ヒィィィ!やっちまった!



「あ、いえ、すみません、見たことのない名前だったもので気にしてたらつい…お気になさらず」

「ああそう言うことか。羽島幽平知らないヤツもいるんだなあ…あ、いや変な意味とかじゃなくてな」

「いえ…その、そんなに有名なんですか。全く知らないんですが」

「そりゃまあ、なあ?」

「俺もそう言うのあんま詳しくねえっすけど、よくテレビとか出てると思う」

「そうなんですか、おかしいな。大抵の番組はチェックしてるはずなんですけどね、見落としてたかなあ…あ、お時間取らせてすみませんでした、失礼します」

「ああ、気にすんなって!もう遅いし気をつけて帰れよ」

「(いい人だ…)ありがとうございます」



頭を下げてからコンビニを後にする。
ああ、一つ謎が解けてよかった!
そして再び家路についた。


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