「ギ、ギャアアアアッ!!」


「?どうしたー?」


「ア、アレ……!」


「?あれ…。あ、ゴキb「その名前を言うなあああっ!!」

「台所(キッチン)の悪魔、黒光りしてる奴、G!この中以外の名前は禁忌とされておるぞ!
死にたいの!?シグはあいつより先に死にたいのっ!!?」


「う、え、ぁ、ごめん……?」


「シグだから許す!――よし、さっそく毒殺を試みて――」
「!ダメーっ」

「!?シ、シグ……?」


「悪魔でも、みんなから嫌われていても、こいつも虫だー。だから守るー」


「(……胸キュンワードなのに、シグの背後に居座ってる奴を見ると、胸キュンじゃなくて胸焼けする)」


「殺されるまえに、捕まえるー」

「へ……ァギャーーーっ!?何してんのお前さん!!」


「むしとり」

「ご丁寧にありがとう!しかし素手で捕まえるのはアカンと思うよ!?ていうか、Gを素手で持ちやがったよ、この水色!!」


「水色じゃない、シグー」


「うっせー!うっせーよ、知ってんyぅぎゃーーーーっっ!!こっち来ないでよばかやろーーーー!!!!」


「だから、シグー」


「シグ!シグシグシグシグ!!そ、その手の中にいるGさん、大地へと還りたいそうっすよ!?」(色んな意味で)


「えー?」


「い、いや、そんな嫌そうな顔しなくても……」


「逃がさなきゃ、ダメー?」


「そうだね。とりあえず、プリンプから一切見えないところくらいには逃がしてあげようよ。うん、それがいい」


「…………」


「ほら、シグ。Gさんだって旅に出たいって言ってるよ?その(忌々しい)黒光りしてる羽を大きく広げて、青く澄み渡る大空へと……ギャニャアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!」


「あ、ほんとに飛んだー」









そしてシグはご丁寧にも窓を開け、手を大きく振りながら見送る。

Gはその漆黒の翼に太陽の光を反射させながら、遠く、遠ーくに飛び去っていった。
(最後まで見ていないので、私の希望を強く反映させてます)


「もしかして、虫の気持ちがわかるのかー?」

「奴の気持ちなんて、死んでも知りたくないわ」



2014.9.18 / back



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