盲目的思春期
※普通の学校生活
※notカムクラ日向
※主人公がナルシスト
「好きです」
私は以前から好きだった日向くんという男子生徒に告白をしている。
容姿端麗、頭脳明晰、スポーツ万能。おまけに生徒が中心となって行う行事には率先して参加し、明るく、常に友達に囲まれている…というのが私の簡単なプロフィール。これだけ出来て、気さくな私はモテない訳もなかった。しかし、私にはたった一人好きな人がいて今まで告白をしてきた男の子達を見事に断ってきた。
そして今、私は遂にその好きな人である日向くんに想いを告げている!
日向くんは特別目立つ生徒という訳でもないので、この沢山人数のいる学校で知っている人はあまりいないだろう。その沢山の人の中で日向くんを好きになった理由は、あまりにもつまらなそうに生きているから!…なんて我ながら可笑しな理由であると思う。けれどそんな彼を笑わせてみたいだとか、いろんな表情をみてみたいだとか、遠目から眺めているうちにだんだんと好きになっていた。
これで付き合うことになったら、たくさんデートをして、色々なものを見て、日向くんの表情をひとりじめ…
「ごめん」
それだけ告げて立ち去ろうとする日向くん。
…え?
遅れて理解した時にはもう日向くんは目の前にはいなかった。
振られるとは思ってもいなかったために相当な精神的ダメージを受けた。が、逆に燃えてきた。今までこんな屈辱を味わった事はない。やられたままじゃ、やはり悔しいから。
――絶対に、振り向かせてやる!
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