怪人ドゥービーの巻

モンテス神父は屋敷の奥に待つ主人の元へ向かう。ドアを開けると、ディオは一人掛けのソファにくつろいでいた。視線の先には、町娘と思われる女が一人。

「ディオ様、マリア様をお連れしました。」
「御苦労。」
「少々抵抗されましたので、少し眠っていただきましたが…、」
「かまわん、無傷であればな。」

モンテス神父はディオにマリアを渡す。ディオはゾンビたちを己から離れさせると、マリアを優しく抱きしめて立ち上がった。

「出会ったばかりでもうお別れとは、遺憾に思うが紹介するよ。彼の名は怪人ドゥービー。」

ディオは町娘に、不気味ななりをした男を紹介する。そしてそのまま、マリアを抱いて奥の部屋に消えていった。



「…マリア、会いたかったぞ…。」

ディオはマリアの頬を優しく撫でる。マリアがこの町に来ていた事は、この町へ来た時に通った教会の掲示板に貼ってあった、演奏会の広告で知った。ディオは石仮面を手に持ち、そっとマリアの顔にかぶせた。

「これで…、おれとおまえはずっと一緒だ…。」

ディオが自分の親指の先を歯で噛み切る。ぷくりと浮き出てきた血をいざその仮面に落とそうとした時だった。勢いよく開けはなれたドア。

「地獄からもどってきたぞ、ディオ!」
「はっ!生きてたのか…。」

ジョナサンはディオに抱かれている人物に目を見開く。その顔にかぶせられた石仮面に、ジョナサンは拳を強く握り締めた。

「マリアに何をしたッ!」
「まだなにも…。だが、今からマリアはおれとともに永遠の命を手に入れる。そこから動くなよぉ?ジョジョ。」
「させるかッ!」

ジョナサンが走ってディオに近付く。しかし、ゾンビ達がそれを遮った。その間に、ディオは親指から垂れる血を石仮面に塗りつけた。石仮面がカタカタと揺れ、鋭い骨格がマリアの頭につきささる。ジョナサンは目を見開いた。怒りに揺れるその拳を、むかいくるゾンビにたたき込む。

「ディオォォォォッ!」
「フン!来おい!ジョジョ!」
「おおおおおおお!」

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眠り姫



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