呪われた町の巻

ジョナサンが意識を取り戻した翌日。エリナはメリーから受け取った書き置きをジョナサンに見せた。ジョナサンはメリーとマリアの間柄を知っていたので、マリアが先に目を覚ましていたことに安堵した。そして、ジョナサンはエリナの看護のおかげか、見る見る内に傷を癒し、退院。ジョースター邸を訪れた。そこで石仮面の行方を不安に思いながらも、エリナと一緒にメリーの家へ、マリアの様子を見に行くことになった。メリーの書き置きには住所が記入してあった。しかし、そこへ向かう途中。ジョナサンは、自らの人生を再び大きく変える人物と出会う。ウィル・A・ツェペリ。そして、彼にディオがまだ生きていることを聞き、ディオを倒すために彼から波紋を教わるのだった。




マリアはというと、すでに大学に復帰して、ピアノの練習に励んでいた。ジョースター邸での惨事が起こった日に練習していた曲は、今はもう完璧で、その曲ともう一曲メリーとの連弾を三日後に披露しなくてはならなかった。場所は、ウインドナイツ・ロット。そこの教会で開かれる演奏会だ。大学一のピアノの腕前を持つマリアと、それに続く才能を持つメリーは、その演奏会に出るために支度をしていた。

『ねえ、私のドレスって何色?』
「えっと、あ、これね!黒のドレス!」
『黒?』
「ええ。鞄に入れておくわ!私のドレスは真っ赤よ!まるで血の色…。」

メリーは肩をすくめてみせた。

「えっと、ドレスに靴、楽譜も入れたし、三日分の着替えも入れた…。」
『私の分も大丈夫そう?』
「ええ、完璧!あ、髪飾り!」
『もう、おっちょこちょいね…!』
「ごめんごめん!」

二人は荷物をまとめ終わると、大学が手配した馬車に乗り込み、ウインドナイツ・ロットへ向かった。馬車で丸一日かけて移動した二人は、宿泊する宿へ辿り着いた。自然豊かなその町の空気は、二人の緊張をほぐすのには最適だった。

「綺麗なところね…!」
『ええ、見えなくてもわかるくらい!空気が澄んでいるわ…!』
「自然に囲まれてるだけはあるわね!さ、教会にあいさつに行きましょう!」
『ええ。』

教会へ向かうと、神父やシスターに挨拶をし、その日は宿で休んだ。次の日、二人は再び教会へ訪れると、実際に本番当日に使うピアノを使って一通り練習した。

「お二人とも、素晴らしい腕前です…。心が浄化されるようだ…!」
「まあ、神父様ったらお上手!」
『本当、ますます緊張してきちゃうわ…!』

演奏会は翌日に迫っていた。

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眠り姫



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