過去からの手紙の巻

試合も終わり、3人でジョースター邸へ帰宅した。ジョージの元へ向かう。最近、ジョージは体調が思わしくなく、床に伏せている。

「お父さん、ご気分はいかがですか?」

ディオとマリアは、正式にジョースターの養子となってから、ジョージへの呼び方を父へと改めた。

「うむ…、だいぶいいよ…、ゴホッ、ただ、せきが止まらないな…。今日、医者に入院をすすめられたよ。」
「入院?それはしない方がいいです。」

ディオの言葉に、ジョナサンとマリアは首を傾げる。

「病院は施設が悪いくせに、もうける事ばかり考えて、入院を勧めているんです。」
「うむ…。わたしもことわったよ。自分の家の方が安心していられる。それに、マリアのピアノを聞いていると、元気が出てくるんだ。」
『まあ、お父様ったらお上手ですわ!』
「ははは、本当のことだよ!」
「とうさん…、早く元気になってください。本当に!」
「ああ、ありがとう。ところでディオ!ジョジョ!優勝おめでとう!」
「ええッ!もう知ってるんですか?」
「大学の友人がさっき来て、教えてくれたよ!」
「ひどい友人をお持ちです!ぼくらはまっ先に喜ぶ顔が見たくてすっとんで帰って来たのにッ!」
「いやいや喜んどる!わたしは鼻が高いよ。すばらしい息子たちだ!それに、マリア…。」
『はい、』
「大学一のピアノの成績だそうじゃあないか!」
『これも、お父様のお陰です。感謝しています。』
「わたしは何もしていないよ!マリアの努力あってこそだ…。これからもがんばりなさい。留学の話も出ていると聞いたぞ?」
『い、いえ…、私はその気は…、ここに残りたいです!みんなと離れるのは寂しいもの…、』

しゅんとしてしまったマリア。

「「「ワッハッハッ!」」」
『も、もう…!』
「いや、わるかったよマリア。」
「マリアがあまりにも可愛いことを言うから、ついな。」
「それにしても、ディオ、マリア、君たちはとくにガンバッた…。ディオ、卒業したらなりたいものになるがいい!援助はおしまない。君はわたしの家族なんだからね。マリアも、遠慮はいらないよ。」
「貧しい出身のこのぼくたちに、チャンスを与えてくれてありがとうございます。ますます励みたいと思います。」
『私も、もっとピアノの腕を磨いて、立派なピアニストになります!』
「ああ、楽しみだ!」

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眠り姫



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