過去からの手紙の巻
あれから7年の月日が経った。ジョナサンとディオは大学生だ。マリアも、ピアノの才能を持っていたのか、ぐんぐんとその才能を伸ばし、ピアノの特待生として二人と同じ大学に通っていた。そして、盲目のピアニストとして大学内にその名を広め、更には生まれ持った美貌から学園のマドンナという存在になっていた。
「マリア、早くしないと、お兄さんたちの試合が終わっちゃうわよ!」
『ええ、今行くわ、メリー!』
「…んもう!ほら、手伝うわ!手を貸して!」
『ありがとう、メリー。』
同じピアノ科のマリアとメリーは、学園一仲が良いといっても過言ではない。目の見えないマリアに取って、メリーの存在はとても大きかった。メアリー自身、マリアのピアノの才能に惚れこんでいたし、その類まれなる美しい美貌にも、憧れを抱いていた。メリーはマリアの荷物をまとめるのを手伝い、彼女の手を自分の腕に掴まらせた。いつものペースで歩みを進め、大学のグラウンドへ向かう。外に出ると同時に聞こえてきた歓声に、二人の気持ちは高揚する。
「きっと、貴方のお兄さんたちが大活躍してるのね!」
『楽しみ…!急ぎましょう!』
「ええ!」
二人がグラウンドへつくと、白熱した戦いが行われていた。
「とったァーッ!ボールを奪いとったのは我がヒュー・ハドソン校の雄ーーーーーっ、ジョナサン・ジョースターだァーーーーッ!」
「きゃあ!ジョジョよ!ジョジョがボールをとったわ!」
『ねえ、今の点数は?』
「んー…、見えないけれど、この歓声だもの!うちの学校が勝ってる筈よ!いいえ、勝ってるに決まってるわ!」
『本当?よかった!』
「さ、応援しましょう!」
「すっごぉ〜〜〜〜いッ!3人にタックルされたままひきずりながらも突進をやめないッ!ジョナサン・ジョースターッ!なんという爆発力なんという根性!まるで重機関車ですッ!4人目ッ!!さすがにぐらついたッ!両膝をつくか、ジョジョ!」
「がんばれー!」
『ジョジョー!』
「ああッ、パスがとおったァーーーーッ!飛び出したのは…!?ディオ!やはり、我校のディオ・ブランドーですッ!」
『お兄様!?頑張ってーッ!』
「華麗な走りですッ!ぬけるかッ!!ぬけるッ!ぬけたァーーッ!」
その後、ディオのトライでヒュー・ハドソン校の優勝が決定した。
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眠り姫