愛しのエリナの巻

その後ようやく溜まり場についた二人。ディオの“取り巻き”達は、ディオに駆け寄る。

「ディオ!その子は?」
「ぼくの妹のマリアだ。みんな、仲良くしてやってくれ。」
『マリア・ブランドーです。よろしくお願いします。』
「か、可愛い妹だね、ディオ!」
「おっと、マリアには手を出すなよ?それと、マリアは目が見えない。不便な事も多いと思うが、なにかあったら手助けしてやってくれるか?」
「おお、まかせとけ!」
「おれたちはもう友達だからな!」
『…友達…、』

マリアは嬉しそうにディオに微笑んだ。ディオも優しい表情でマリアの頭を撫でた。

「おーい、こっちでトランプでもして遊ぼうぜーッ!」

マリアはすぐに打ち解けられたようだった。



日が暮れてきた頃。ディオは屋敷までマリアを送り届けると、忘れ物をしたと嘘をつき、再び屋敷を出ていった。一人で部屋に戻ろうと歩いていたマリア。それを見つけたジョナサンが話しかける。

「マリア、外に遊びに行けたんだね!」
『ジョジョ!ええ、お兄様と一緒に!お友達をたくさん紹介して下さったわ!』
「…そうなんだ!あ、今日ね、」

ジョナサンの楽しそうに話す声に、マリアは少しだけ胸が締め付けられた。

「それで、二人でいっしょにブドウを食べたり、楽しかったよ!」
『…楽しそうでよかったわ、ジョジョ。』
「マリアも、沢山友達が出来てよかったね!」
『ええ、また今度遊ぶ約束をしたの!ジョジョも来ない?』
「…ぼくは、うん、機会があったら行かせてもらうよ!じゃ、またあとで!呼び止めてごめんね!」
『いいえ、全然。お話が聞けて良かったわ!また。』

マリアは小さくため息を吐いて、部屋を目指した。

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眠り姫



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