新しき友人!の巻

マリアがピアノに出会った夜。食事を終えたディオとマリアは、マリアの部屋でくつろいでいた。マリアは楽しそうに今日あった出来事をディオに述べていく。ディオはそれを優しい目つきで見守っていた。

『それでね、私、ジョースター卿からピアノを習ってみたらどうだ?って言われたの!』
「いいんじゃあないか?一日中このだだっ広い屋敷にこもっていても、何もすることはないんだから。」
『もう、そんな言い方は失礼よ?』
「わるかったよ、マリア。」

ディオはマリアの髪を撫でる。マリアはそれに大人しくされるがままになっていた。

「そろそろシャワーでも浴びるか?」
『…そうね、今何時かしら、』
「今は夜の8時だよ。連れていってあげるよ。」
『ありがとう、お兄様。』

ディオはマリアを浴室に連れていく。シャワーの温度を確かめてから、マリアがドレスを脱ぐのを手伝った。

「召し使いを呼んでこようか?」
『平気よ。だいぶ慣れてきたから。』
「じゃあ、着替えを用意させるよ。」
『ええ。』

ディオはマリアの部屋の浴室を出ると、召し使いをマリアの部屋に呼んで後を任せ、自分も部屋に戻ってシャワーを浴びた。

「…、」

ディオは、マリアのドレスを脱がせる際に見えた白い背中を思い出していた。ダリオから受けた虐待で出来た傷跡はもう残っていないその背中だが、心に出来た傷跡は決して消える事はないだろう。マリアを護ると誓ったあの日から、ディオはマリアをずっと想い続けていた。それが恋愛感情になろうとかまわない。ディオのたった一人の家族だ。マリアも然り。マリアを幸せにする為なら、ディオはなんだってやってやる…そう誓っていた。

「早くこのジョースター邸を乗っ取って、マリアに幸福を…!」

ディオは握り締めた拳で、浴室の壁を殴った。ドンッ、と壁を殴る鈍い音とシャワーの音だけが響いていた。

[ 11/34 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]

眠り姫



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -