新しき友人!の巻
部屋に案内してもらったディオとマリア。ジョージは、荷物の整理があるだろうから、と部屋を後にした。ディオとマリアの部屋は扉一つで繋がった隣室だ。ディオはマリアの手を取り、部屋の隅から隅までどこに何があるかを説明した。
「大丈夫そうか?」
『ええ。大体の位置は歩数で覚えたわ!ありがとう、お兄様。』
「お安いご用さ。」
ディオはマリアの額にキスを落とした。
『も、もう、お兄様ったら!』
「赤くなって、可愛いやつだな。」
『…もう、知らない!』
「そう怒るなよ。」
くすくすと笑うディオに、マリアは赤くなった顔を逸らす。ディオは、マリアをからかうのが楽しくて仕方がなかった。
「おいで、マリア。」
『…、』
ディオはマリアの手を引き、ベッドに腰を下ろす。マリアはディオの隣に腰を下ろした。
「すねるなよ、もうしないさ。」
『…ほんとに?』
「今日のうちは…、もうしない。」
『明日はするのね?』
「してもいいか?」
『…ずるいわ…。私がお兄様の頼みは断れないって知ってて言ってるもの。』
「だめかい?」
『…だめって言ってもするくせに…。』
「悪かったよ、ぼくのお姫様。」
ディオはマリアを抱きしめた。腕の中で真っ赤になるマリアを見て、ディオは再びマリアの額にキスを落とした。
「それにしても、世の中は実に不公平だ。」
『?』
「さわってみろよ、このベッド。家にあったベッドと大違いだ。」
『わ、フカフカしてる!』
マリアはベッドに寝転がった。
『すごいわ!ね、お兄様も!』
マリアはディオの腕を引いた。ディオもベッドに寝転がった。
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眠り姫