新しき友人!の巻

「疲れたろう、ディオくん、マリアさん!ロンドンからは遠いからね。君たちは今から、わたしたちの家族だ。わたしの息子、ジョジョと同じように生活してくれたまえ。」

屋敷に案内された二人。

「ジョースター卿、御好意、大変感謝いたします。」
「ジョジョも母親を亡くしている。それに、ディオくんとは同い年だ。仲良くしてやってくれたまえ。ジョジョ…、ダニーの事はもういいね?」
「はい…。僕も、急に知らない犬が走ってきたら、ビックリすると思うし、気にしてません。」
「おお、そうだジョジョ、」
「なんですか、父さん。」
「マリアさんは、目が見えないのだから、なにかあったら手助けしてやってくれ。」
「は、はい!」
『ご、ご迷惑をお掛けします…。』
「迷惑だなんて思っていないさ。屋敷の者にも話をしてあるから、困ったことがあったらすぐに言うといい。」
『ありがとうございます、ジョースター卿…、』
「さ、来たまえディオくん、マリアさん。君たちの部屋に案内しよう!」

ジョージはマリアに手を貸し、階段を登りはじめた。ディオは、壁に掛けられていた奇妙な仮面に目を奪われていたが、ジョナサンがディオとマリアの鞄に手を伸ばしているのを見つけ、その手を掴んでひねり上げた。

「何してんだ?気やすくぼくとマリアのカバンにさわるんじゃあないぜ!」
「え?」
「このこぎたない手でさわるな!と言ったんだ、マヌケがッ!」
「運んであげようと…、」
「けっこう!君の手は犬のヨダレでベトベトだァ!それに、荷物はさっそく召し使いに運んでもらう!いいか!ジョジョ、最初に言っておく!これから君の家にやっかいになるからといって、ぼくにイバったりするなよな。ぼくは一番が好きだ。ナンバー1だ!誰だろうとぼくの前ではイバらせはしないッ!それと、マリアには近付くなよッ!」
「そんな…、ぼくは仲よくしようと、」
「もうひとつ!ぼくは犬が嫌いだ!怖いんじゃあない。人間にへーこらする態度に虫唾が走るのだ!あのダニーとかいう阿呆犬をぼくに近づけるなよな。マリアにもだッ!マリアがけがれるからな。」

「ふたりとも、何をしておるのだ?早く来なさい。」
「ハイ、」

ディオはジョージとマリアの元へ階段を上っていった。

『お兄様、ジョジョともうお友達になったの?』
「ああ、まあね。」
『羨ましいわ、お友達がいるなんて…。』
「マリアさんは、お友達がいないのかい?」
「マリアは、視力を失くしてから、あまり家の外に出た事がなくて…。」
「そうだったのか。大丈夫だ。ジョジョとダニーが、友達になってくれるさ。」
『まあ、嬉しいですわ!』

そう言ってにっこり笑ったマリア。

「さあ、もうすぐ部屋が見えてくるよ。」
「……、」

ディオはジョージを睨んでいた。

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眠り姫



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