吉良吉影と受付嬢
『…じゃあ、二人が私の家の浴槽で死んでた理由は、その…私を傷つけたからってことでいいの…?』
≪かんたんにいえばそういうこと≫
『…、』
でも、私が殺したことには変わりないんだ…。
『吉影さん、私…、やっぱり人を殺してるんですよね…?こんな人間が、平然と街をうろつくなんてできないし…私、自首します。』
「…な、んだって…?」
『だって、いくらスタンドの仕業からと言って、偶然でも人を殺してる。犯罪を犯してるんです。それに、そんな女と関係なんて持ちたくないでしょう?やっぱり、お付き合いはできません。』
「…、」
『…ポテトサラダ、ありがとうございました。とてもおいしかったです。それと、助けてくれて、ありがとうございます。私、吉良さんと出会えて本当に良かった。…私、もう行きますね…?』
そう言って、席を立った。鞄を手にし、吉良さんに深くお辞儀をして、家を出ようとした時だ。
「待て!それじゃあ、僕だって同罪じゃあないか。僕は君の為にあの二人の死体を爆破させたんだ。僕だって同罪だ。それに…、」
『…それに…?』
「…いや、なんでもない。とにかく、行かないでくれ。」
鞄を持つ手を引かれ、抱きしめられた。
『放して…ください、』
「僕は放さない。やっと僕好みの子を見つけたんだ。」
『…でも、』
「いいから、おいで。」
スルスルと両手を撫でられ、部屋に戻されてしまった。
『…私…、』
どうすればいいんですか…?絞り出した声が震えた。
『…もう、私、死んだ方がいいんじゃないかな…、』
自暴自棄になりかけた時だった。
「…死にたいのか?」
『…え?』
「死にたいのか?」
ジッと見つめられた目が真剣な目をしている。吉良さんの手が腕を伝い、肩から顎に添えられた。とても、楽しそうに、笑っている。嗚呼、この目は、もしかして、
「僕が、殺してあげよう。」
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