吉良吉影と受付嬢

それから、スタンドについて教えてもらった。吉影さんのスタンドは、触れた物を爆弾に変えられるそうだ。ためしに、ポテトサラダの下に敷かれていたレタスを小さく千切り、目の前で爆発させて見せてくれた。

『…す、ごい…、』
「名前のスタンドは、見せてくれないのかい?」
『…えっと、スタンドって…どうやって出すの?』
「…そうか、君のは自立型だったね。」
『…?』
「じゃあ、このポテトサラダを隠しごらん?」
『…隠す…、』

隠そう。そう思った時だ。コトリ、と箱が落ちる音。私と吉影さんの目の前。机の真ん中に箱が落ちてきた。そして、

≪かくれんぼするひとこのゆびとまれ。はーやくしないとでんきがきえる。きーえる、きーえる。もうきえたー≫

ポテトサラダの入ったお皿が、箱に呑まれてしまった。カランカランと虚しくお箸が落ちる。

『…あ、』
「…………、」
『…ご、ごめんなさい、お皿…が…!お、お皿は返して!』
≪もういいかい≫
『もういいから!お願い返して…!』
≪みぃつけた≫

カラン、と軽い音共に、プラスチックの空のお皿が転がった。

『あ…、よかった…、』
「なるほど…。君の意志で、隠したものを探し出すことができるのか。」
『…みたい、ですね…。』

ここで、私はふと思い出す。このハイドアンドシークが、あの二人の死体を隠していたということだろうか…?じゃあ、二人が死んだ理由は…?

『ね、ねえ…、』
≪ますたーますたー≫
『あの二人、は…、どうして、死んだの…?』
≪……しんじつを≫

突如、箱の蓋が開いたかと思うと、中から奇妙な装飾品を身に付けた、人型の何か…そう、スタンドだ…、スタンドが姿を現した。

≪しんじつをみつけられなかったから≫
『真実?』
≪ますたーをきずつけたりゆう、しんじつ、いみ≫
「…、」
≪みつけるまでくりかえす。そして、つづくかくれんぼ≫
「…僕が見た限り、福富枢の死体に酷い傷があった。手の平と膝を重点的にね。そして、山崎枢には手首に切り裂いた傷があった。」
『……、』
≪ますたーのきずは、かくしたの。おにがみつけるまでかくすの。おにがみつけたら、でられる。でも、みつけられなかった。だからくりかえした。そしたらしんでた≫

怖い…。なにを言ってるの、このスタンドは…、こんな怖い事、どうして…。…でも、こんな感じの事、この間も聞いた様な気がする。

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