死神13
「ポルナレフッ!起きろポルナレフッ!ポルナレフッ!寝む前にやることがある。赤んぼのおしめをとりかえてやってくれッ!」
「う…、うう〜ん。」
目を覚ましたポルナレフ。隣で寝ている春乃妹と花京院を一瞥した。
『…ん…、』
「う…、う…、」
「おいポルナレフ、起きてるのか?おしめだよ、おしめ!!」
「ああ…、わかったよ。フーッ、なんかスゴク恐ろしい夢をみたような気がするんだ。でも…、どんな夢だったか思い出せない…。忘れてしまった。」
「おしめをとりかえたら、いくらでもドンドン夢の続きを見てくれッ。もう起こさんよ。」
そう言われて、ポルナレフは赤ん坊のおしめをとりかえることにした。その時だ。
「ん?」
「…?どうした、ポルナレフ。」
「春乃妹、怖い夢でも見てんのか?泣いてやがる…。」
「起こしてやったがいいんじゃあないか?」
ポルナレフは春乃妹の顔を覗きこんだ。震えながら、ぽろぽろと涙を流している春乃妹。ポルナレフは春乃妹の肩に手を伸ばした。
「ラリホー、動くなよ花京院。お前の妹の首、掻き斬っちゃうぜ?」
『…はっ、…っ…、』
「春乃妹…!」
一方。夢の中では、死神13が、春乃妹の首を掴み鎌を添えていた。
「お前が泣くから、ポルナレフがお前を起こそうとしてるじゃあねーか。」
『ぅ…、ぐっ…!』
死神13が首を掴む手に力を込める。
「春乃妹!!やめろ…!くそ、法皇ッ!!」
花京院は法皇の緑を出そうとするが、やはり出てこない。
『ぅ…、…っ…!』
「おい、起きろ春乃妹!大丈夫か!おいッ!」
『…ッ!!』
ポルナレフに揺り起こされ、春乃妹は目を開いた。どっと汗が流れる。
『は、はっ、…はっ、』
「大丈夫か?どうした?すげー魘されてたぜ?」
『…わ、たし…、う…、ふっ…、』
「あー…、なんだ、怖い夢でも見たんだろ?」
『う…ん…、』
ぽろぽろと涙を流した春乃妹。涙の壺が、出番だとばかりに飛びまわる。
「おれもスゴク恐ろしい夢をみたような気がするんだ。忘れてしまったけどな…。そ、そより!赤んぼのおしめかえるの手伝ってくれよ。」
『…ぅ…ん。』
[ 79/134 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]
涙の壺