死神13

セスナに乗り込んでから突然眠気に襲われた春乃妹は、赤ん坊の入ったかごを膝に抱えて眠っていた。目を覚ますと、そこには見知らぬ遊園地が広がっていた。

『…夢?……ッ!』

観覧車の中に座っていた春乃妹。中を見渡すと、今朝見た犬の死体があった。それを見て息を飲んだ春乃妹。そこに、パッと花京院とポルナレフの姿が現れた。驚く間もなく二人が目を開ける。

「あっ、」
『お兄ちゃん…!』
「春乃妹!どうしてここに…!」
『分からないの…!』
「ここはどこだ!?ジョースターさんと承太郎はどこだ!?」
「遊園地!?つ、続いている…!朝みた夢のつづきだ。ぼくらは夢の中にいるんだッ!」

花京院のその言葉に、ポルナレフは深い息を吐きながら椅子に沈んだ。

「なら安心だぜ。夢ならこんな犬の死体なんてこわくないもんねーっ。夢ってのは、こわいと思うからこわいんだぜーっ。リラックスしろよ。」
「ちがうッ、3人で同じ夢をみるか!?」
「…それもそうだな…ちょいと変だが、でも夢ならありうるぜ。」
『…本当に夢なの…?』
「分からない…。でも、この犬もきっとぼくと同じ夢を見ていたんだ。この夢で殺されたんだ!この手のキズもその時につけられたんだッ。」
「だれに?」
「敵のスタンド「死神13」!」
「敵のスタンド?なあ ̄んだ、おまえスタンドの夢なんか見てたのか!?ハッハハ、リラックスしろよ、リラックス。」
「ちがうッ!」
「スタンドの夢じゃあなくて、「夢のスタンド」なんだッ!」
「そうだよォ〜、だからここは夢なんだろ?」
「わからんやつだなッ!!!!}
「ラリホォー。本当ッ!頭の悪い野郎だぜッ!」
「「『?』」」
「まったく!理解力の遅い脳ミソだと、きさまのことを言ってるんだよッ!ポルナレフッ!」
「い…、犬の傷口からッ!」

拡声器が犬の傷口を突き破りながら出てきたかと思うと、死神13が現れた。飛び散った血が観覧車の壁に付着する。花京院は春乃妹を背に庇い、法皇の緑を出そうとかまえた。死神13はポルナレフの首を掴むと、鎌を振りかざす。

「ポルナレフ、「戦車」で戦えッ!法皇!出てこいッ!」
『ポルナレフッ!』
「戦車が出…出ねぇ…、」
「法皇が出てこない、出せない。ここが夢の中だからかッ!」
「うぐぐっ、」
『ポルナレフッ!』
「ラリホー、夢の中で死ねるなんて、ロマンチックだと思わないかい?」

死神13がポルナレフの口の中に鎌を添えた。

「ラリホォ〜〜〜!」
「ポルナレフーーーッ!!」
『…ッ!』

[ 78/134 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]

涙の壺



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -