死神13

支度を終えた花京院は、髪を乾かし終えた春乃妹を連れて、二人を待っていたポルナレフと一緒にホテルを後にした。ホテルを出た時、少年が飼っている愛犬が死んでいると泣いているのを見て、花京院は頭を抱える。

「つい最近…も、犬の死体を見たような気がするが、」
『お兄ちゃん…、大丈夫?』
「ひでーことするが、おれたちにゃあ関係ねえ。いこーぜ。」

そしてそのまま、ジョースター達の元へ向かった。一方、飛行機を売ってくれた男の元にいたジョセフと承太郎。しかし、男は飛行機を売れないといいだした。何でも、赤ん坊が熱を出しているが、村に医者がいない為に町まで連れて行かなくてはならないとのこと。そこへ、三人が合流した。

「赤んぼ?」
『…ひどい汗…。』
「熱があるね。」
「そ…、それじゃあ向こうの飛行機はだめなのか?」
「あれ故障中ね…。ほかに村には2機あるけど、今出はらっていて2日しないと戻ってこないね。」

行き詰った一行。そこで、赤ん坊が入ったかごを抱えている女性が口を開いた。

「セスナは4人乗りです。でも、無理にでも5人乗られるようですし、赤ちゃんも乗れるはずです。赤ちゃんをこの方たちにおまかせして、お医者のところへ連れてってもらえば…。」
「え!」
「ちょっと待て!わしらも困る!赤ちゃんが我々と来るのは危険だ!!」

そう言ったのはジョセフ。しかし、ポルナレフは賛成した。

「「車」や「船」が「スタンド」ってのもあったが、この飛行機は正真正銘メカだぜ。」
「承太郎、花京院、春乃妹ちゃん、どう思う?」
「赤んぼの母親の意見をとるしかなさそーだな。おれはスタンドよりじじいの操縦の方が心配だがね。」
『…赤ちゃん、きつそう…。』
「…うむ。よし、決まった!」

一行は赤ん坊をセスナに乗せていくことになった。操縦席にジョセフ。助手席には承太郎が座り、後ろの席は右から花京院、赤ん坊を抱えた春乃妹、ポルナレフの順に座ることに。無事空に飛び立ったセスナ。

「なんか、飛行機にのるとねむくなってくるな。春乃妹なんて、もう寝ちまってるぜ。可愛い寝顔。」
「…、」
「人の妹の寝顔を、あまりジロジロ見るなよポルナレフ。」
「そればっかりかよ。過保護院って呼ぶぜ?」
「勝手にしてくれ…。僕も、眠いんだ…。」
「ジョースターさん、すめねーが30分ぐらいねむらしてもらうぜ。」

ジョセフはそれに頷いて見せた。

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