死神13

春乃妹がシャワー室から出た頃、ポルナレフは花京院と春乃妹が眠る部屋に来ていた。ドアをノックする。中から鍵を開ける音がした。開けたのは春乃妹だ。

「よ、春乃妹。良く眠れたか?」
『…うん。』
「?髪濡れてるぜ?風呂入ってたのか?」
『…汗かいたから…。』
「なーるほどな。花京院はもう起きてるか?」
『分からない…。今出てきたの。入って…?』

春乃妹はポルナレフを部屋に招き入れると、花京院が寝ているベッドまで案内した。花京院はまだ寝ていた。しかし、その額には大量の汗が浮かんでいる。

『…お兄ちゃん?お兄ちゃん!』
「花京院、おい起きろ!」
「うぅ…、」
『お兄ちゃん…!』
「うああああーーーッ!」
「花京院!!おい、花京院!?」
『お兄ちゃん…、大丈夫…?』
「…春乃妹、ポルナレフ…、ここは!」
「ここはじゃねーよ。承太郎とジョースターさんはすでに起きて飛行機の所へ行ってるぜ。」

ポルナレフは窓を開け放った。太陽が眩しく三人を照らす。

「今日はこれから500q飛ぶ予定らしいぜ。また暑くなりそーだな。」
『…お兄ちゃん?』
「恐ろしい夢を見た…。本当に恐ろしかったんだ。」
「恐ろしい夢?ほぅ〜〜、それどんな夢だ?きかせてきかせて!」
「それが、思い出せないんだ…。忘れてしまった…。とにかく、恐ろしかった。二人に起こされて助かったんだよ。」
「もう〜〜、ヒマなこと言ってんじゃあねーよ…!いくぞッ!早く仕たくしろッ!」

ポルナレフは自分の荷物を抱えて部屋を出ていく。春乃妹は髪の毛を乾かすべく洗面所に向かった。

「手が切れている…。…?いったいどこで?」

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涙の壺



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