太陽
「しかし、たまげたなこの国はァ〜!どの家も、この家も全部豪邸だらけじゃあねーか。」
『お金持ちが多いの…?』
「いや、これがこの国の普通の人々の暮らしぶりらしい…。」
一行は、イランを離れてアラブ首長国連邦に辿り着いた。レンタカーを走らせ住宅街を通れば、かなりの大きさの豪邸が建ち並んでいた。そして砂漠地帯まで走り抜けると、ラクダで砂漠を横断することに。
「どうやって乗るんだ?高さが3メートルもあるぞ。」
「あのじゃな、ラクダっていうのはな、まずすわらせてから乗るのじゃ!」
そう言ってジョセフはラクダの縄を引っ張る。
「まず、すわらせてから…、のるんだよ。すわらせてから乗るッ!」
ジョセフがどう頑張っても、ラクダは一向に座る気配がない。
「ちょっちょっと待っておれ!今すぐすわるからな!」
その様子を見て、一同は首をかしげる。数分前、ジョセフは自分達にラクダの乗り方を教えると言って張り切っていたが、全然乗れる気配がない。
「おい、本当に乗ったことあるんだろーな。」
「わしゃ、あのクソ長い映画、「アラビアのロレンス」を3回も観たんじゃぞッ!乗り方はよーく知っとるわい。2階は半分ねちまったが。」
「映画〜〜?なに〜、ほんとは乗ったことはねーのかッ!」
それから、ジョセフはリンゴでラクダをつり、座らせることができたのだった。そしていざ、承太郎達もラクダに乗ろうとした時だ。
「あぁそれと、ラクダが4頭しか手配できんかったんじゃが、春乃妹ちゃんは誰かと一緒でもいいかの?」
『…うん。』
「春乃妹、僕と一緒に乗ろう。」
『…うん。』
「(なんじゃ花京院。ここは承太郎と春乃妹ちゃんが一緒に乗るべきな流れじゃろ。)」
「(何を言ってるんですかジョースターさん。僕の前でイチャつかせるわけがないじゃあないですか!)」
「(お前ら、スタンドで会話するなら、俺たち全員にきこえてるってこと忘れんなよ?)」
「あ…、」
「…はぁ…。」
「おい、いいから早く行くぞ。」
「あ、あぁ…。(…あれ、おかしいのォ…。)」
「さ、春乃妹。」
春乃妹は花京院と一緒にラクダに乗ることになった。
「よ〜し、みんな予定どおりうまく乗れたようじゃの〜。それでは、砂漠をつっきるぞ!みんな!北西へ向かって出発進行じゃ〜!」
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