恋人

それから、ダンは春乃妹の腰を引き、承太郎を連れてジュエリー店へ入店した。

「フフッ、フハハハハハハハ、なあ承太郎、見ろよこの金の腕輪。一流ブランドのデザインもいいが、まれに無名の逸品ってやつはこういう店で出会えるものさ。喜ぶぜ〜〜、女の子にこういうものをプレゼントするとなあ。承太郎、ガラスのすき間があるだろ…。そこからお前のスタンドでそれを盗れ!」

ダンは承太郎に耳打ちした。

「ギ・レ・と・いってるん・だぜ、ボケッ!早くしろ。それともなにか…。このわたしがガラスをぶちやぶって盗ってもいいんだぜ…。わたしが捕まってブチのめされてもいいのか、ジョセフは確実に痛みで死ぬぜ。」

承太郎は仕方なく、スタープラチナでジュエリーを取り出した時だ。

「ああ〜〜〜っ、こいつ万引きしてますよォーっ!」
「てめえ、」
「ククックックックックッ、おい承太郎、素人相手にスタンドは出すんじゃないぜ。」
「野郎ッ!」
「ううっ、」
『承太郎…!』
「おーっと、お前は大人しく、承太郎が殴られてるところを見てりゃーいんだよ。フハハハハハァハハハハ、」

ダンは顔を背けようとする春乃妹の顔を承太郎のほうに向けながら、隙を見て他のジュエリーをこっそり盗んだ。春乃妹は見ていられなくなり目を瞑った。

「早くおれたちの国を出て行けッ、このスカタンがッ!」
「フッハハハ、フハ、フハヒハハハハフハ、でかしたぜ、よーくやった。おまえのおかげで、ドサクサにまぎれてもっとでかいもの手に入れたからよ。」
「ふふふふふ、くく…くくく、」
「承太郎ッ!きさま何を笑っているッ、何がおかしいッ!」
「フッフッフッフッ。いや…、楽しみの笑いさ。これですごーく楽しみが倍増したってワクワクした笑いさ。テメーへのお仕置きタイムがやってくる楽しみがな。」

突如、ダンの額から血が吹き出た。

「ああっ、」
「おやおやおやおや、そのダメージは花京院にやられているな…。残るかな、おれのお仕置きの分がよ。」
「ギニ、くっ、ハァ〜、ハァー、ハァ〜ハァ〜〜、」
「どうした?なにをあとずさりしている?おれのじいさんの方では何が起こっているのか教えてくれないのか。。」

承太郎に背を向けて走り出そうとしたダン。すかさず、承太郎がその後髪を掴んだ。

「おいおいおい……、何をいまさらあわてている?どこへ行こうってんだ。まさかおめ〜、逃げようとしたんじゃあねーだろーなー、いまさらよ。」
「ヒイィィィィーッ、」
「…そういえば、春乃妹が世話になったな。おめーにも同じことしてやったぜ?まずは一つ。」
「ゆっゆっゆっゆつしてくださあぁーいッ、承太郎様ーッ!」
「おい、俺だけか、ゆるしを乞うのは…。」
「ヒィッ!春乃妹様ァッ!」
『…こっちに来ないで。』
「ハッ、嫌われたな。」
「わたしの負けですッ!いくら殴ってもいいッ!ブッてください!蹴ってください!でも!命だけは助けてくださいイイイイイイィいいいい〜、承太郎様、春乃妹様〜〜〜!」

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