恋人
「つまずいて転んだとしても、ミスター・ジョースター、貴方の身には何倍ものダメージとなってふりかかっていくのだ…。そして、10分もすれば脳がくいやぶられ、エンヤ婆のようになって死ぬ…。」
承太郎がダンの胸ぐらを掴む。
「承太郎おちつけッ!バカはよせッ!」
「いいや、こいつに痛みを感じる間を与えず、瞬間に殺してみせるぜ。」
更に挑発するダン。今にも締め殺そうとする承太郎を、花京院が法皇の緑で慌てて止めに入る。
「なめたヤローだ。この、」
「う…、」
ダンは、先程拾った石で承太郎の鳩尾を殴った。
「承太郎ッ!!」
「おれをなめるな。」
再び振り下ろされた石。
「あぶない!」
『ッ!!』
「な…、春乃妹…!」
春乃妹はダンを突き飛ばしていた。その際に、振り下ろされた石が春乃妹の頬に当たり、春乃妹の唇から血が流れた。
「…おやおや?女性に庇われるとは、情けないなァ…!」
『…あなた…、許さない…ッ。最低な人…、』
「ほぉ…、随分と生意気な口を利く女だな。君はDIO様への手土産に連れて帰ろうと思っていたが…、フム…、…ム?」
ダンは、駆け出したジョセフとポルナレフ、花京院を見て首を傾げた。
「承太郎、そいつをジョースターさんに近づけるなッ!そいつからできるだけ遠くへ離れる!春乃妹、来るんだ!」
「ほう、なるほど…。しかし、」
『あッ…!』
「君にも残ってもらおう。」
『…ぃッ…、』
ダンに腕を掴まれた春乃妹。抵抗する春乃妹だが、大の男の力に叶う筈もない。
「わたしのスタンド「恋人」は、力が弱いぶん一度体内へ入ったら、どの「スタンド」より遠隔まで操作可能なのだ。何百キロもな…。おい承太郎、おめーに話してんだよ。なにすました顔して視線さげてるんだよ。こっち見ろ。」
「てめー、だんだん品が悪くなってきたな。」
「きさま…、ジョセフが死ぬまでこのわたしにつきまとうつもりか。」
「ダンとか言ったな、このつけは必ず払ってもらうぜ。」
「ククク、そういうつもりでつきまとうならもっと借りとくとするか…、この女もな。」
「!」
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