恋人

男は名乗った。

「わたしの名はダン…。スティーリーダン。スタンドは「恋人」のカードの暗示。君たちにも、このエンヤ婆のようになっていただきます。」
「なんてことを!このバアさんはてめーらの仲間だろうッ!」

エンヤの顔中からうねうねと蠢く触手。ポルナレフの銀の戦車がそれを切り刻んだ。

「こ…、これは!太陽の光で溶けたぞッ!「肉の目」!DIOのヤツの細胞だッ!」
「いかにも!よーく観察できました。それはDIO様の細胞、「肉の目」が成長したものだ。今、このわたしがエンヤ婆の体内で成長させたのだ。」

今にも息絶えそうなエンヤ。ジョセフは何としてもDIOのスタンドの正体を聞き出そうとするが、エンヤは口を開かなかった。

「OH!GOD!」
「うくっくっくっくっくっく、くっくっくっ、くっくっくっ。悲しいな…くくっ。どこまでも悲しすぎるバアさんだ。だが、ここまで信頼されているというのも、DIO様の魔の魅力のすごさであるがな。」

そう言って笑うダン。呑気にコーヒーを飲むダンの周りに立ちふさがる一行。そして、

「おらあッ!」

スタープラチナのパンチが、ダンの腹にはいる。団が吹き飛んだのと同時に、承太郎の後ろにいたジョセフが、ダンと同じように吐血しながら吹き飛んだ。

「なに!?」
『おじ、様…、』
「どっ…、どうしたジョースターさん!」
「このバカが。まだ説明は途中だ。もう少しできさまは自分の祖父を殺すところだった。いいか…、このわたしがエンヤ婆を殺すだけのために、君らの前に、このわたしの顔を出すと思うのか…。」
「き…、貴様、「恋人」のカードのスタンドとかいったな…。い…、いったいなんだそれは!?」
「もうすでに、戦いは始まっているのですよ、ミスタージョースター。」

一行は一か所に固まって周りを見渡すが、スタンドらしき物の影はない。そこで、ダンは近くで掃除をしていた子供に、駄賃をやるからホウキの柄で足を殴れと言った。子供が恐る恐る殴ると、ジョセフが飛び跳ねた。

「いっ…。痛いっ!わけがわからんが、激痛がッ!」
「気がつかなかったのか!?ジョセフ・ジョースター。わたしのスタンドは、体内に入り込むスタンド!さっきエンヤ婆が死ぬ瞬間、耳からあなたの脳の奥にもぐり込んでいったわ!」

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