運命の車輪

「…ね、ねぇ…春乃妹…。」
『…?』

涙の壺で承太郎達の治療に掛った春乃妹。家出少女は、そんな春乃妹を呼び止めた。首を傾げた春乃妹に、家出少女は気まずそうに口を開く。

「…そ、その…庇ってくれて、ありがと…。」
『……うん…。』
「…何で、庇ってくれたの?」
『……友達に…なりたかったから…。』
「え…?」
『…だから、…怪我、させたくなかったの…。死んじゃったら、…友達になれないから…。』
「…春乃妹…、バ、バカだな、あんた!そんな事しなくても、友達ってのはなろうと思ったら、もう友達になってるんだよ!私たちは、友達だ!」
『……本当…?』
「うん!」
『…よかった…!』
「…春乃妹っ!」
『わっ!』

恥ずかしそうに笑った春乃妹。家出少女はそんな春乃妹に抱きついた。

「…女の子の友情も、いいものじゃな。」
「…ああ。」
「…春乃妹…、可愛いな…。」
「…花京院、お前のシスコン度、上がってねぇか?」
「元からだが。」
「…やれやれだぜ。」




その後、男性陣の治療を終えた春乃妹が、自分の傷を癒していた時だ。燃え尽きた学ランの燃えカスを眺める承太郎が視界に入った。

『…。』
「承太郎が気になるのか?春乃妹ちゃん。」
『ッ!!』
「おぉ、驚かせてすまんすまん!」
『…承太郎は…どうしてあんなに強いの…?』
「ん?そうじゃな…、これもわしらの血筋のお陰かも知れんのお。」
『…血筋?』
「ああ、春乃妹ちゃんは見たことがないか?わしも、承太郎も、ホリィにも、ここに星型の痣があるんじゃよ。」

そう言って、ジョセフは首筋を指差した。

「この痣が、DIOとの因縁にもつながっておる。」
『…、聞いちゃいけなかった…?』
「いいや、そんなことはない。寧ろ、春乃妹ちゃんにはもっと知ってもらいたい。そうそう!春乃妹ちゃん、この旅が終わったら、空条家に嫁いじまえばどうじゃ?」
『…!』

あからさまに顔を赤くした春乃妹に、ジョセフは心が安らいだ。

「承太郎も、春乃妹ちゃんのようなお嫁さんを貰ったら、幸せじゃろう。ホリィもわしも大歓迎じゃ。ま、無理にとは言わんがの。」
『…はい…、』

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涙の壺



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