運命の車輪

シンガポールで別れたはずの家出少女。しかし、それは…。

「ウソにきまってんじゃねーの、そんなもん…!ただの家出少女よ、あたしは!」
「おい!待て、誰が乗せるといった!?なぜインドにいる…?どうやって入国してここまで来た?」
「まあーいいじゃあないの!気にしないでいっしょに旅行させてよ、楽しいんだもん!」
「だめだ、ほおり出せ!」
「ねえ!ポルノ見る?インドのポルノ!みやげ物屋からカッパらったエロ写真よ、好きでしょ?」
「こっ、コラッ!子供がそんなもん持ってんじゃねえぜッ!」
「おねがいよぉ、つれてってーッいっしょにつれてってェエェーッつれてって!」
「だめじゃ!だめじゃ!だめじゃ!だめじゃ!」
『…ねぇ、私たち、旅行してるわけじゃ…、』
「旅行だろ?だって世界めぐってるって言ってたじゃんか!いいからつれてってよ!」
「ダメダメダメじゃ!」
「やかましいッ!うっおっとしいぜッ!!お前らッ!」

ついに怒鳴った承太郎。車内は静まり返った。

「(カッコイイ…!しびれる〜ウ!)」
『……、』
「国境までだ。そこで飛行機代渡して、その子の国まで乗せてやればいいだろう。ホンコンだったな。」




そして、仕方なく家出少女を車に乗せていくことになった一行。車内では、少女が一人、ぺらぺらと話をしていた。誰も聞いていないようで、それに気付いた少女は、春乃妹に話を振る。

「そう思うでしょ?春乃妹!」
『…?』
「もう、なんで話聞いてないのよ!あたしだって女の子だし、家出なんてできるのは今しかないって言ってるの!」
『…う……ん?』
「もう!…あ、春乃妹、もう恋はしたの?」
『…恋…?』
「そ。前、シンガポールのホテルで話したでしょ?」
『……、』
「ちなみに、あたし、今恋してるのよ!」
『…そっ…か…。』
「なによ。」
『…えっと、…なんていえばいいの…?』
「叶うといいねって言えばいいんじゃあない?」
『…叶うと、いいね…?』

[ 51/134 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]

涙の壺



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -