女帝

それから、バスに乗り込んだ一行。春乃妹はジョセフに言われた通り、バスに乗ってからは花京院の肩を借りて一眠りついていた。

「いいか、おれはね、普通は説教なんてしない。頭悪いヤツってのは言っても分からねーから、頭の悪い奴なんだからよ。いるよなあ、何ベン言っても分からねータコ。でもな…、え、えーと、名前聞いてなかったな。」
「ネーナ。」
「ネーナ、君はこれから通り聖地ベナレスの良家の娘何だろ…?美人だし、すごく頭のいい子と見た…。おれは人を見る目があるしよ。だから説教するぜ。」

ポルナレフはかれこれ五分ほど、ネーナに“説教”をしていた。しかし、ネーナはそれをどうでもよさそうな顔をして聞いている。ポルナレフはそれに気付いていない。

「恋をするとなりやすいけどよ、こお〜〜〜いうふーに物事見ちゃいけないぜ!冷静に広く見ることが大切だな。」
「おい…、こいつは驚いたな…。修業者の荒行のようですね。話には聞いていたが、ほんとにやってるんだな。」

それから暫くして、ジョセフの腕にできた虫刺されのような物が悪化しているのに気付き、一行はジョセフを病院に向かわせる為に近くのホテルに宿泊することにした。

「春乃妹、ホテルに着いたよ。」
『……んっ…、』

花京院に優しく揺り起こされた春乃妹。

「…ふふ、可愛いね…。」
『…お兄ちゃん…?』
「おはよう春乃妹。少しは疲れが取れたかい?」
『……うん…。』

そのやり取りを見ていた承太郎。しかし、すぐに目を逸らしてスタスタと先を行くのだった。

「ジョースターさん、受付は僕たちに任せて、病院に行っていいですよ。」
「おう、すまんな。」

ジョセフは一人で病院に向かって行った。残った一行。ホテルのフロントで受付を済ませると、ポルナレフはネーナを送ると言って街に出ていった。残された花京院、春乃妹、承太郎の三人は宿泊する部屋に向かった。

「そう言えば、花京院に言ってなかったな。」
「ん?」
「実は、アヴドゥルの事についてだが、アイツは生きてるぜ。」
「え…!?」
「…コイツの治療のお陰だ。」

そう言って、承太郎は顎で春乃妹をさした。花京院は春乃妹を見ると、ホッとしたのか安堵の息を漏らした。そして、春乃妹を抱きしめると、その頭を優しく撫でたのだった。

[ 47/134 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]

涙の壺



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -