春乃妹も目を覚まし、ジョースター一行はこれからどうするかを話していた。春乃妹は、涙の壺で承太郎の傷を治し、花京院の手の傷も治した。春乃妹の脚にびっしりとついていたフジツボも、暗青の月を倒したため、綺麗さっぱり消えてしまった。

「これからどうしましょう。」
「うむ…、」
「あの船長が偽者だったってことは、この船ヤバいんじゃねーの?」
「…確かに、何か罠が仕掛けてあってもおかしくないですね…。」

男性陣が話し込んでいる時、少女が春乃妹の元にやってきた。

『…ぁ、』
「…あ、あの…さっきは、ありがとよ…。」
『…?』
「おれを助けてくれただろ…、さっき。」
『…えっと、…どういたしまして…?』
「何で首傾げるんだよ!」
『……知らない人に、お礼を言われたのは初めて…。』
「…お前、友達いねーのか?」

春乃妹は考えた。友達、とは一体何だ?

『…友達は…、分からない。いつも一緒にいたのは…、この子と、お兄ちゃんの法皇の緑くらいだから……。』

涙の壺を出した春乃妹だったが、少女にはその姿が見えていない。今度は彼女が首を傾げる番だった。

「お前、変な奴だな!女なら、女らしく構えてろよ!」
『…?』
「だから、女らしく強くなれよ!」
『女らしく…?』
「そうだ!」
『…でも、あなたも女の子なのに、おれって言ってる…。』
「う…、おれはいいんだよ!…なんか、お前弱そうだな!」
『…私…、』

春乃妹は俯いてしまった。その時だ。

【ドドドドドドドドドド】

船が突然爆発し始め、ぐらぐらと揺れた。

「みんな、早くボートに乗りうつれッ!」
「近くの船に救助信号を出せッ!!」

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涙の壺



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