暗青の月

少女をスタンド使いと疑ったものの、DIOについての話題に首を傾げている。おまけに、小型ナイフを振り回そうとする始末。

『…危ないよ…?』
「うるせー!」
「なんか…、この女の子は違うような気がしますが…。」
「うむ…、しかし、」
「この女の子かね、密航者というのは…、」

ガタイのいい船長が現れ、少女がナイフを持っている手を締め上げた。

「女の子とはいえ、なめられると限度なく密航者がやってくる…。港につくまで、下の船室に軟禁させてもらうよ。」
「船長…、おききしたいのですが、船員10名の身元は確かなものでしょうな。」
「間違いありませんよ。全員が10年以上この船に乗っているベテランばかりです。どうしてそんなに神経質にこだわるのか分かりませんけれども…。」

船長はツカツカと承太郎に近付いた。

「ところで!」

その手には、承太郎がくわえていたタバコ。

「甲板での喫煙はご遠慮願おう…。君はこの灰や吸い殻をどうする気だったんだね。この美しい海に捨てるつもりだったのかね?君はお客だが、この船のルールには従ってもらうよ、未成年くん。」

煙草を承太郎の帽子に着いたバッジに押し付け、吸い殻を学生服のポケットに入れた船長。

「待ちな。」

承太郎は船長を呼び止めた。

「スタンド使いはこいつだ。」
「スタ…ンド??」
「『スタンド』使いに共通する見分け方を発見した。それは…、スタンド使いは煙草の煙を少しでも吸うとだな…、鼻の頭に血管が浮き出る。」

承太郎の言葉を聞いて鼻を押さえたのは、少女以外の6人。

「マヌケは見つかったようだな。」
「「「「「「『あっ!!』」」」」」」

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