銀の戦車

その後、ジョースター一行は、飛行機での移動を断念。陸路、海路をとってエジプトへ入ることになった。その前に腹ごしらえを…と、いう訳で、香港にある中華料理店へ入った。

「しかし、50日以内にDIOに出会わなければ!ホリィさんの命が危険な事は、前に言いましたな…。」
「あの飛行機なら、今頃はカイロに着いているものを、」
「わかっている。しかし、案ずるのはまだ早い…。百年前のジュールベルヌの小説では、80日間で世界一周4万キロ…を旅する話がある。汽車とか、蒸気船の時代だぞ。」
『…でも、小説でしょう…?』
「まぁの。だが、飛行機でなくても、50日あれば一万キロのエジプトまでわけなくいけるさ。そこで、ルートだが、わしは海路を行くのを提案する。適当な大きさの船をチャーターし、マレーシア半島をまわって、インド洋をつっきる…。いわば、海のシルクロードを行くのだ。」
「私も、それがいいと思う。陸は国境が面倒だし、ヒマラヤや砂漠があって、もしトラブッタたら足止めをくらう危険がいっぱいだ。」
「わたし達は、そんなところ両方とも行ったことがないので、なんとも言えない。おふたりに従うよ。」
「同じ。」
「だがやはり、一番の危険は、DIOが差し向けてくる「スタンド使い」だ!いかにして見つからずにエジプトにもぐりこむか…。」

花京院が紅茶のおかわりの合図をした。それを不思議に見ていた承太郎に、香港のテーブルマナーを教えていると、春乃妹の横に一人の男が近付いてきた。

「可愛らしいお嬢さん、ちょっといいですか?」
『…?』
「私はフランスから来た旅行者なんですが、どうも漢字が難しくて、メニューがわかりません。助けてほしいのですが。」
『…えっと…、どれですか…?』

春乃妹が男からメニューを受け取ろうとした。

「やかましい、向こうへ行け。」

しかし、承太郎は男を追い払おうとする。

「おいおい承太郎…。まあいいじゃあないか。わしゃ、何度も香港は来とるから、メニューぐらいの漢字はだいたいわかる。どれ、わしが注文してやろう。」
「おぉー!ありがとうございます!これをお願いします!」

男はジョセフに注文を頼んだが、運ばれてきた料理は、どれも男の食べたがっていた料理とはかけ離れていた。

「わはははははははは。ま…、いいじゃあないか。みんなでたべよう、わしのおごりだ。」
『…カエル…、恐い…、』
「カエルは無理に食べなくていいよ、春乃妹。」
「何を注文しても、結構うまいものよ。春乃妹ちゃん、カエルは鶏肉の味がするんじゃ。食べてみなさい。」
『…いい。』

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