DIOの世界

「だれか今…、ふたを開けていたはずのヌケサクが棺に入った瞬間――――いや、入れられた瞬間を見た物がいるか?」
「い…いや、見えなかった。しっかり見ていたが、気がついた時はすでに中に入っていた!」
「ポルナレフのいうとおり、これは超高速だとか錯覚だとかでは…決してない。」
「やばい!なにか!やばいぜッ!」
「逃げろーーッ!!」
「く!くっそおーーッ!」
「なにしているポルナレフッ!」
「ちくしょうーーーッ!!」

五人は窓から飛び出した。そして、スタンドで屋敷の壁に掴まり、よじ登る。春乃妹は花京院がハイエロファントで引き上げた。

「まずい…!実にまずい!太陽がほとんどみえなくなっている!」
「ヤツの時間がきてしまった、」
「まさか…ジョースターさん、このまま…あしたの日の出まで、一時退却ってことはねえだろうな…。いっておくがジョースターさんッ!おれはこのままおめおめと逃げ出すことはしねーからなッ!」
「ぼくもポルナレフと同じ気持ちです。」
「わしだって、おまえらと同じ気持ちだ。しかし、状況が変わった!やつのスタンド「世界」に出会ったのにどんな能力なのか、カケラも見えない…。」

ジョセフの説得もむなしく、ポルナレフは一人でDIOから逃げない、と走り去った。

「じじい、止めても無駄だぜ。」
「承太郎ッ!君の意見を聞こうッ!」
「……「ポルナレフは追いながら、ヤツと闘う」…「おれたちは逃げながらヤツと闘う」つまり、ハサミ討ちの形になるな…。」

残った四人は二手に分かれることに。承太郎はポルナレフを追い、残った三人は街へ逃げた。途中で飼ったトラックに三人は乗り込み、エジプトの街を逃げ回る。そして、DIOがすぐ背後まで来た時、花京院が法皇の緑で攻撃。しかし、不思議な事にDIOに攻撃が当たることはなかった。花京院の身体から血が流れる。春乃妹は慌てて涙の壺を出して治療していく。

「花京院…、ケガを…大丈夫か?…ワ…「世界」を見たのか!?」
「ええ…、今ぼくは10mの距離から攻撃しましたが、あと少し近づいていたら、やられていました…。しかしジョースターさん!あなたの推理通り、やつのスタンドが「接近パーワー型」だということが確実にわかりました。」

春乃妹は後ろを走るDIOが乗った車を見ていた。しかし、いつの間にか車が止まっている。

『おじ様…、』
「ああ、おかしい…。やつの車が停止したぞ…、」
「…、気をつけてッ!なにか飛んでくるッ!」

花京院が春乃妹の体を抱き寄せた。次の瞬間、背後から途轍もない衝撃。トラックは近くの建物に衝突した。

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涙の壺



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