ダービー・ザ・プレイヤー

「……、」
「どうした?承太郎、やはり誰か尾けてくるのか?」

ジョースター一行はDIOの屋敷のすぐ傍まで来ていた。

「いや…、何者かが我々を…呼んだような声がした。」
「声?」
「!イ…、イギー?」
「イギーッ!」
「どうしたんだこれはッ!?」
「イギーのやつ、いたる所ケガをしているぞッ、車にでもひかれたかッ!」
「おい…、こいつ…、前足がないぞ……、」
「この犬は交通事故に会うようなタマじゃあない…。敵に襲われたな、イギー、」

ジョセフがイギーを抱き上げる。承太郎はあたりを見回した。

「イギーの声じゃなかった。たしかに人間の言葉で、オレたちを呼んだんだぜ。」
「イギーは敵と遭遇したようです…。死にかけて、少年につれられているのを手当てしたのは、SPW財団の医師です…。ぼくの目と同じように…。」
「ああ!!お…おめーはッ!」
「「「「花京院ンンンンーッ!」」」」

五人は再会を喜び合った。

「キズは治ったのか?」
「ええ…。もう大丈夫です…。少しキズは残ってるんですが、しっかり視力はもどりました。」

そして花京院は承太郎と握手を交わす。

「…春乃妹は…、」
「…春乃妹ちゃんは…、DIOの館に誘拐されたようじゃ…。」
「…そうですか…。早くDIOの館に行きましょう。」
「ああ。」
「…おい、イギー、どこへ行くんだ?」

ジョセフの腕を飛び出したイギー。一行はその後を追った。見つけたのは乞食が乗っていた高級車。車体は大破していた。そして、乞食のものと思われる血がついている。イギーはさらに進んでいく。そして一行の目の前に、DIOの館が立ちふさがった。

「いる…。この感覚はまちがいなくヤツだッ!やつは今この館の中にいるッ!」
「……、」
「我々の旅は…、」
「……、」
「ついに終点を迎えたわけだ。」

一行は館に足を踏み入れた。

「ようこそ、ジョースター様。お待ちしておりました。わたしはこの館の執事です。」

現れたのテレンスだ。

「ダービーと申します。テレンス・T・ダービー。あなた方に再起不能にされたダービーの…弟です。さ…、どうぞ中へ。上着などおとりしましょう。春乃妹様も奥でお待ちです。」

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