地獄の門番ペット・ショップ
マリアは春乃妹を見る。春乃妹は口をきつく結び、ドアを睨むように見ていた。
「…どなた?」
「…マリア様、リリスです。」
「…なにか?」
「トロイが帰って来たので、報告を…。」
「…先程、DIOに聞きました。」
マリアは鍵を開ける。春乃妹は嫌な予感がした。鍵を開け、ドアを開けたマリア。次の瞬間、ドスッと何かが刺さる音。
「ガハッ…!」
『マリアさん!!!!』
マリアの腹部に、巨大なサソリの尾が貫いた。マリアを貫いたまま尾が振り回され、マリアの体はそのまま吹き飛ばされる。尾から抜けた身体はグランドピアノに激しく身体を打ちつけた。
「グ…アッ!」
春乃妹は急いでマリアに駆け寄る。リリスが部屋の中に入ってきた。女の胴にサソリの身体をしたスタンド、“さそり座の女”の尾には、マリアの血がべっとりと付いている。
「なに、を…ッ、」
「DIO様には恩がある…。アンタにも恩があるけど…、この怒りは収まりやしない…。」
リリスはマリアを睨みつける。
「トロイを殺したのは、アンタ?それとも、DIO様?」
「…私ではありません。私は春乃妹さんとずっと一緒にいたの。」
「…あっそう。でも、DIO様を殺すことはできないから…、アタイはアンタを殺す。」
「…理不尽な子ですね…。」
マリアは起き上がる。腹部を貫かれた後はすでに塞がっていた。春乃妹は涙の壺を出すが、マリアがそれを止める。
「春乃妹さん、あなたは下がっていて。ここは私が…。」
マリアは自分のスタンドを出すと、リリスをキッと睨みつけた。
「フン…、地獄に落ちなッ!」
サソリの尾がマリアを襲う。マリアは目を瞑った。
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涙の壺