ホル・ホースとボインゴ

ダービーとの戦いを終えたジョースター一行は、車へ乗り込もうと駐車場へやってきた。

「?」
「どうした、承太郎。」
「紙がワイパーに挟まれてやがる。」
「誰だ?」
「トロイじゃあねーの?あいつ、ダービーと戦ってる間、どっか行ってたし。」
「またあやつはフラフラと…、」

ジョセフは紙切れをとり、読み上げる。

「DIOの館にて待つ…トロイ・アテッド…。」
「おい、」
「トロイは…、まさか!」
「信用ならねー奴だと思っていたが…やっぱりか…。」
「じゃあ、春乃妹が攫われたのは、もしかしてトロイの仕業だってことかッ!?」
「この状況だと、そうなるだろう…。」

四人は深刻な面持ちだ。ポルナレフが車に乗ろうとドアを開ける。

「待て、ポルナレフ。トロイが敵だとわかった以上、向こうにわたしたちの情報は筒抜けだ。慎重に行動しなくてはならない。」
「でもいそがねーと!」
「落ちつけ!車に何か仕掛けてあったら大変だ。違う車を拝借しよう。」

アヴドゥルの案に、みなが頷いた。四人はもう一度カフェに戻ると、客の中から車で来ている者はいるか聞き、金を払って車を乗り換えた。向かうはDIOの館。未だに場所は分かってはいないが、カイロの街中に確実にある。四人は逸る気持ちを抑えつつ、春乃妹の無事を願いながらカイロの街を目指した。




一方、リリスはトロイが戻ってきたことを聞き、喜びに満ちた顔で館の中を探し回っていた。しかし、どこを探しても弟の姿が見えない。となると、DIOのところか?リリスはDIOの部屋を目指した。しかし、DIOの部屋には誰もいない。リリスは仕方なく、DIOの餌の残骸を掃除しようと思い、視線を向ける。

「…え…?」

そこには、再会を待ち遠しく思っていた弟が、変わり果てた姿で横たわっていた。リリスはゆっくりとその残骸の山に歩み寄る。近付いて見て確信した。

「…どうして…?ねえ、トロイ、私よ…?お姉ちゃんよ…?ねえ、どうしてそんなところに寝てるの…?」

リリスの目から涙が零れた。

「うっ…、ぅ…、トロイ…、」

リリスは泣きながら、愛する弟の亡骸を抱きしめた。

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