ダービー・ザ・ギャンブラー

その頃のジョースター一行は、ジョセフとアヴドゥルがバステト女神のマライアを、ポルナレフと承太郎がセト神のアレッシーを倒し、無事にカイロに到着した。トロイはというと“偶然にも”敵と遭遇することなく、一行と旅を続けている。

「(…さてと、どうやってばっくれようかな…。)」

トロイは一行の後をついていきながら、考えを巡らせていく。自分のスタンド“無神経”で、神経を奪える対象は一人。神経を奪えるだけで、相手のスタンド能力を抑えることができるわけではない。今、もし目の前を歩いている四人のうちの誰かに、自分のスタンドで神経を奪ったとしても、四人相手に返り討ちにされてしまうのは目に見えている。イギーも然り。まず、イギーはトロイが自分に触れることを許さない。無理矢理近付こうものなら、すぐにザ・フールを出されて攻撃されてしまう。一行はピラミッドの見えるカフェに来ていた。

「わしらはその写真の建物を探している。どこか知らんかね?」

ジョセフは店主に写真を見せるが、店主は静かに口を開く。

「外国の客人…、、ここは、カフェですぜ。なんか注文して下さいよ。」
「それもそうだな。アイスティーを5つ。」
「………やっぱり知りませんや…。」

5人は出されたアイスティーを一気に飲み干した。

「それじゃあ、この女性を見かけなかったかね?」

ジョセフは春乃妹が写っている写真を見せた。この二枚の写真は、どちらもジョセフが念写したものである。店主は春乃妹が写った写真を見つめ、少し考える仕草をした。他の客にも二枚の写真を見せる。

「見かけてませんね。」
「そうか。どうも、馳走になった。」

5人はカフェを出る。その時、店の奥に座っていた客の一人が口を開いた。

「その建物なら、…知ってますよ。間違いない、あの建物だ。その女性も、その建物に連れられて行くのを見ました。」
「えっ!」

ジョセフ達は客の元に駆け寄った。

「…、」

トロイはいつの間にか姿を消していた。

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