DIOを撃つ!?の巻

マリアがキッチンに戻る途中、目の前から一人の男が歩いてきた。マリアは立ち止まる。

「こんにちわ、ホル・ホースさん。」
「ん!?あ、ぁ、マリアさんか。ご機嫌いかがかな?」
「そうね、今は最高に気分がいいわ。DIOに用?」
「ああ、そんなところだぜ。ジョースター達の報告をしに来たんだ。DIO様はいるか?」
「ええ。この奥に。それじゃあ。」
「ああ、ありがとよ。」

マリアはホル・ホースを見届けると、再びキッチンを目指して歩き出した。キッチンへ近付くにつれて、美味しそうな料理の匂いが漂ってくる。

「テレンスさん、」
「ああ、マリア様、ちょうどお食事の用意が整いました。お持ちしましょう。」
「ええ、お願いします。」

テレンスは出来立ての料理をワゴンに乗せ、マリアと共に部屋へ向かった。部屋の前まで無言の二人。部屋につくと、マリアはテレンスに下がるように命じ、テレンスが見えなくなるとスタンドを使って鍵を開けた。中にワゴンを持ちこみ、春乃妹に声を掛ける。

「春乃妹さん、食事を用意させたわ。」
『ぁ…、ありがとうございます。』

テーブルに料理を並べる。

「さ、どうぞ召し上がって?」
『…あの、』
「…?あ、もしかして、料理に何か盛られてないか不安?私が毒味してもいいわよ?」
『い、いえ!私の分だけなんですか…?マリアさんの分は…、』
「ああ、そういうこと…。平気よ。私ならさっき、軽く食べてきたから。優しいのね、春乃妹さん。」
『そ…そんな事、ないです…。あの…、いただきます…。』
「ええ。」

春乃妹が料理を食べ始めたのを見て、マリアはピアノを弾き始めた。とても穏やかな曲だった。春乃妹の緊張が少しでもほぐれるように、マリアは優しいメロディを奏でたのだった。

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涙の壺



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