「セト神」のアレッシー

春乃妹とマリアはソファに座り、春乃妹はマリアに花京院の話をしていた。いつも自分を一番に考えてくれる花京院。時たま激しいスキンシップもあるが、大切にされているという実感がある。春乃妹はそれを楽しそうに話し、マリアもまた、楽しそうに耳を傾けていた。

「春乃妹さんのお兄さんも、DIOが兄だったころにそっくり…。」
『…そう、なの?』
「ええ。時々甘えてくるのよ?可愛いわよね。」
『…うん…。』
「それで?」
『え?』
「春乃妹さんの好きな人は、他にいるんでしょう?」
『ぁ…、』

春乃妹は顔を赤くした。マリアは楽しそうにくすくすと笑う。

『承太郎っていって…、とても強くて、その…、優しくて…、一緒にいると…ドキドキするの…。』
「そう。とっても好きなのね、その人のこと…。」

春乃妹は頷く。承太郎について話す度に、春乃妹は顔を赤くする。

「それで?その承太郎さんとはどこまでいったの?」
『え…!』
「承太郎さんとお付き合いはしてるの?」
『ぁ、の…、この旅は、承太郎のお母さんを救うための旅だから…、DIOを倒して、旅が終わったら…、その…、承太郎が…、』
「承太郎さんから気持ちを伝える?」
『…。』

春乃妹は真っ赤な顔で、また小さく頷いた。

「素敵ね…。私も承太郎さんに会ってみたくなっちゃった!」
『え?』
「うふふ…、春乃妹さんを大事にしてあげてって、伝えたくなったの。だって、こんなに可愛らしいんだもの。泣かせたらだめ、大切にしなくっちゃ、他の人に取られちゃうわよーって!」
『…うん…。』

マリアはふわりと笑うと、春乃妹の頭をポンポンと撫でた。

「あ、そうだ!春乃妹さん、お腹は空いてない?昨日から何も食べてないはずよ?」
『あ…少し…、』

思い出したように春乃妹の腹の虫が小さく泣いた。マリアは小さく笑うと、食べ物を持って来させるわ、といって部屋を出ていった。

『…ふぅ…。』

春乃妹の頭に、ジョースター一行の顔が浮かんだ。大丈夫だろうか。怪我はしていないだろうか。兄の容態はどうだろうか。承太郎には…、

『会えるのかな…、』

春乃妹はソファに横になった。

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