「愚者」のイギーと「ゲブ神」のンドゥール

「落ち着けお前たち。トロイ、自己紹介を。」

ジョセフの言葉に、男…トロイ・アテッドは口を開いた。

「トロイ・アテッド。趣味はない。好きなものは花京院春乃妹ちゃん。スタンドは無神経(insensible)。21歳。よろしく、春乃妹ちゃん!」

トロイは花京院の背後から顔を覗かせていた春乃妹に、にこりと笑いかけて手を振った。春乃妹は慌てて花京院の背後に隠れる。

「かわいい…。」
「「……、(コイツ…)」」
「オホン。で…、「愚者」の使い手だが…、」
「で、いるってどこによッ!」

ポルナレフはヘリに近付き、座席を叩く。

「気をつけてくださいッ!ヘリがゆれたんでゴキゲンななめなんですッ!」
「近づくなッ!性格に問題があるといったろーッ!」
「ポルナレフおまえには勝てん。」
「あーあ…知らね…。」
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおわああああああ!」

ヘリの中からポルナレフに飛びかかってきたのは、一匹の犬だった。

「犬!」
「犬だと、まさかこの犬がッ!」
「そう。この犬が「愚者」のカードのスタンド使いだ。名まえは「イギー」。」

ジョセフが説明している間に、イギーはポルナレフの髪をむしりながら「へ」をした。それにキレたポルナレフが銀の戦車を出すと、イギーはそれに反応して、自身のスタンド「愚者」を出した。ポルナレフが戦車で斬りかかるが、いとも簡単に負けてしまった。アヴドゥルがイギーの好物のコーヒーガムを見せると、イギーはポルナレフから離れてアヴドゥルの方へ走り寄ってきた。

「し…、しまったッ!箱の方をとられたッ!」

イギーはコーヒーガムを包み紙ごと噛み始めた。それから、一行はスピードワゴン財団から食料や医療品、着替えなどを受け取った。

「旅立つ前に尋ねたい…。わしの娘のことだが…、ホリィの容態はどうだ?ハッキリ言ってくれたまえ…。」
「…はい。言いづらい事ですが、あまり良いとはいえません…。体力の消耗が激しく、命はいぜん危険です。我々SPW財団の医師の診断では、もってあと2週間。」
「時間がない。」
「ちくしょう、」
「それと、一つ情報があります。カイロ市内にいるDIOと思われる人物を密かに探し、調べていましたが、報告によると2日前、謎の9人の男女がDIOが潜伏しているらしい建物に集まってんそしていずこかに旅立ったということです。」
「DIOと9人の男女だと?」

[ 96/134 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]

涙の壺



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -