女教皇

海底に化けいていた女教皇に飲み込まれた一行。

「スタンドのパワーがこんなに大きいのは、本体が距離的に近くにいるせいだッ!きっとものすごく近いぞッ!」
「あたしはそこから7m上の海岸にいるよッ!しかし、おまえらは“女教皇”の中ですりつぶされるからあたしの顔を見ることはできない!」

飲みこまれて辿り着いたのは、女教皇の口の中だった。

「承太郎!」
「!」
「承太郎!お前は私の好みのタイプだから、心苦しいわね…。私のスタンド「女教皇」で消化しなくっちゃあならないなんて!」

それを聞いたポルナレフが、承太郎に耳打ちをした。

『……、』

春乃妹は胸がもやもやするのに気付き、気づけば手を握りしめていた。

「一度、あんたの素顔を見てみたいもんだな。おれの好みのタイプかもしれねーしよ。恋に落ちる、か、も。」

承太郎の言葉に気を良くした「女教皇」の使い手…ミドラー。それを境に、男性陣が歯の浮くような褒め言葉を言っていく。春乃妹はそれを聞いて、もしも本当に承太郎がこのスタンド使いを好きになったら…という考えが頭に浮かび、気付けば口を開いていた。

『…承太郎は、あげないもん…。』
「!」
「春乃妹!?」
「おぉ!?」
「ヒュ〜♪春乃妹、積極的ィッ!」
「きっさまらーーーーッ!ぶっ殺すッ!」

激怒したミドラー。一行にスタンドの舌が襲う。春乃妹は足元を掬われて前のめりになった。承太郎がそれを支える。その時だ。承太郎の背後から女教皇の舌が襲った。

「ゲハッ!」
『承太郎…!』

二人はそのまま舌で奥歯まで押しやられてしまった。しかし、承太郎が春乃妹の身体を奥歯からジョセフ達の方に押しやった。

『ぁ…、承太郎…!』
「承太郎ッ!身をかわせッ!はさまれるぞッ!」

承太郎はスタープラチナで奥歯に挟まれるのを防ぐが、そのパワーに押し負けてしまった。承太郎の酸素ボンベがペチャンコに凹んだ。

『…ぁ…、』
「承太郎ッ!」
「承太郎が歯でスリつぶされたーッ!!」
「いや、待て…、なにか聞こえるぞ、」
「遠くから聞こえるような…、」
「だんだん近づいて来るような!」
「こ…、この声は!?」
『…よかった…、』
「は…、歯だ!歯の中から聞こえるぞッ!」
「みんな身をかがめろーッ!」
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラーーーッ!!」
「ダイヤと同じ硬さなのに、歯を掘って出てきたッ!」
「OH MY GOD!ついでに!ヒィーーッ、ほかの歯もへし折ってるぞーっ、」
「おい、みんなこのまま外に出るぜ。」

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