女教皇
アヴドゥルの指示で隣の部屋に向かおうとした時だ。
「ば!ば…、ばかな、す、すでに移動して、ドアの取っ手に化けてやが…、」
鋭利な爪がアヴドゥルに振り下ろされそうとした時だ。その小さな腕を、スタープラチナが力強く握り止めた。
「やったッ!捕まえたぞッ!」
「スタープラチナより素早く動くわけにはいかなかったようだな。こいつをどうする?」
「承太郎!ちゅうちょするんじゃあねーッ。情無用!早く首をひきちぎるんだ、早く!」
「アイアイサー、」
しかし、承太郎の手の中で女皇帝はカミソリに化けていた。女皇帝は天井までジャンプすると、姿をくらませた。
「ば…、ばかなッ!」
「こいつ!強い…。」
「承太郎に一ぱいくわせるなんて…、なんて敵だ。」
「かまうな承太郎ッ!また化けはじめるぞッ!」
承太郎を残して、一行は先に部屋を出た。承太郎は女皇帝が潜った壁を睨みつけると、口を開いた。
「てめーはこの空条承太郎がじきじきにブチのめす。」
潜水艦から脱出することになった一行。
「今度はスキューバダイビングかよ。おれ、経験ないんだよね、これ…。」
「やれやれ。」
「この中でスキューバ・ダイビングの経験のある者は?」
「ない。」
「ない。」
「僕たちもありません。」
ジョセフはスキューバダイビングについて説明した。皆がボンベを簡単に背負う中、春乃妹はボンベの重さで立ち上がれずにいた。
「春乃妹、「おい、大丈夫か。」…、」
『…う、ん。重たくて立てないの…。』
「水中に出たら支えてやるぜ。それまで座ってろ。」
『…うん、ありがとう…。』
「それと、当然のことながら、水中ではしゃべれない…。ハンドシグナルで話す…。簡単に2つだけ覚えろ。「大丈夫」の時はこれを出す。OKだ…。やばいときはこうだ…。」
「我々なら「スタンド」で話をすれば?」
「それもそうだな…!」
「なぁ〜んだ、ハンドシグナルならおれもひとつ知ってるのによ…。」
ポルナレフはそう言うと、自分の知っているハンドシグナルをやって見せた。
「パンツーまる見え。」
「YEAAAH!」
さらりと答えた花京院。二人は互いにハイタッチと、ピシガシグッグッと腕を組ませた。
「襲われて死にそーだっていうのにくだらんことやっとらんで行くぞッ、」
[ 91/134 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]
涙の壺