女教皇
一方、承太郎はジョセフの義手を切り落としたスタンドに殴りかかったが、敵スタンドは計器に化けてしまった。
「もうサンゴ礁だ。あと数百メートルでエジプト上陸だっていうのによッ!」
『おじ様…、』
「大丈夫、傷はあさかったみたいだ。気を失っている。義手でよかった。」
涙の壺は壺に蓋をすると消えた。敵のスタンドは「女教皇」というらしく、金属やガラスなどの鉱物から、プラスティック、ビニールなどに化けられるとのこと。
「し…、しかし、どこからこの潜水艦にもぐり込んで来たんだ?」
そう言ったポルナレフの背後から、勢いよく水が流れ込んでいた。
「なるほど、こーゆこと?単純ね…、穴をあけて入ってきたのね?」
「浮上システムを壊してやがった!どんどん沈んでいくぞ!」
「いつの間にか酸素もほとんどない、続行不可能だ。」
「つかまれッ!海底に激突するぞッ!」
潜水艦は海底に激突すると大きく揺れた。
「花京院…「スタンド」の奴がどの計器に化けたか目撃したか?」
「た…、確かこの計器に化けたように見えたが…、」
承太郎はスタープラチナで拳を作った。しかし、
「ちがうッ!承太郎ッ!もう移動しているッ!花京院と春乃妹さんの後ろにいるぞッ!」
「『!』」
驚くのもつかの間、女教皇は花京院の首を掻き、春乃妹の髪の毛を掠めた。
「うあああああ、」
「花京院!」
『お兄ちゃん…!』
春乃妹は切れ落ちた髪をものともせず、涙の壺を出した。しかし、先程の涙も、ジョセフの治療に使ってしまったため、中身は空だ。
『…どうしよう…、』
「みんな、ドアの方へ寄れ!隣の部屋へ行くんだッ!」
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涙の壺