女教皇

「おい!!みんな驚くなよッ!誰に出会ったと思うッ!」

そう言って突如四人の前に現れたポルナレフ。

「ポルナレフ!心配したぞッ!」
「どうした、そのキズは?」
「敵に襲われたのか?」
『…涙の壺…、』
「キズのことはどうでもいいんだよッ!いいか!たまげるなよ承太郎ッ!驚いて腰抜かすんじゃあねーぞ花京院!嬉しくて泣くなよ春乃妹!誰に出会ったと思う!?ジョースターさんッ!なんとッ、喜べ!パンパカパーン!アヴドゥルの野郎が生きてやがったんだよォ!オロロ〜ン!」
「さ!出発するぞ。」
「みんな、荷物運ぶの手伝うよ。」
「ようアヴドゥル、さっきぶりだな。」
「アヴドゥル、もう背中の傷は平気なのか?」
「ああ、大丈夫。ちょいとツッぱるがな。春乃妹さんの治療のお陰だ。改めて礼を言うよ、ありがとう。」
『…うん。』
「おい、ちょいと待て。おまえら、」
「行こうか春乃妹。」
『…うん…。』
「こら!待てといっとるんだよッ、てめーーーらッ!おい…、どういうことだ?その態度は!?なんなんだ!?その平然とした日常の会話は?」
「ポルナレフ、すまなかったな。インドでわしがアヴドゥルを埋葬したというのは、ありゃウソだ。」
「なっな、な、なにィーーッ!」
「インドで私の頭と背中の傷を治してくれたのは春乃妹さんだ。ジョースターさんと承太郎は病院に運んでくれた。」
「て…、てめーら、インドからすでにアヴドゥルが生きてるってこと知ってやがって、俺にだまってやがったのか?花京院ッ!春乃妹ッ!てめーらもかッ!」
『ご、ごめんなさい…、』
「ポルナレフ、そんなに怒鳴らないでくれ!君は口が軽いから敵に知られるとまずいと思って、伝えなかった。」
「うっかりしゃべられでもしたら、アヴドゥルは安心してキズがなおせないからな。」
「そ…、そうだ!アヴドゥル!おまえのおやじさんがこの島にいる!お前が来たことを知らせよう。」
「ありゃおれの変装だ。」
「に…にゃにお〜〜〜んッ!」

涙を浮かべたポルナレフに、アヴドゥルとジョセフが説明を始めた。その間に、春乃妹はポルナレフの傷を涙の壺で治し始める。

『…、』

壺の中身が空になった…。

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涙の壺



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