審判
三人はジョセフの後に続き、家の中に入って行った。中では、ジョセフが笑顔で男と話している。
「おぉ、お前たちも来たか。ん?ポルナレフはどうした?」
「どこかに行きましたよ。きっと、アヴドゥルさんのことを思い出したんでしょう。お久し振りです、アヴドゥルさん。」
「ああ、花京院も元気そうだな。春乃妹さんも、承太郎も。」
『もう平気…?』
「春乃妹さんのおかげでね。助かった。ありがとう。」
『…うん…。よかった…。』
アヴドゥルは三人に空いている椅子に座るように勧めた。それに従った三人。アヴドゥルが新しいコップに水を注いで持ってきた。
「なんせ、何もないのでな。これで許してくれ。」
「やれやれ、気をつかうこたぁねーぜ。」
「そうですよ。」
アヴドゥルは椅子に座り直した。
「ところでアヴドゥル、例の物は手に入ったか?」
「ええ、なんとかね。」
『例の物…?』
「あとのお楽しみじゃ!」
そう言うと、ジョセフはイタズラが成功した子供のような表情で笑った。それから、他愛もない話を数分した後、アヴドゥルの荷造りを手伝った。
「これで全部か?」
「ああ。」
「それじゃあ、ポルナレフと合流するか。念写!」
ジョセフは地面の砂で、ポルナレフの居場所を特定した。
「ポルナレフを驚かせる為に、私が行きましょう。」
「そうじゃな。」
「僕たちはここで待ってますね。」
「すぐに戻ってきますよ。」
そう言うと、アヴドゥルは草を掻き分けて島の奥へ行ってしまった。
「んふふ!ポルナレフの反応が楽しみじゃな!」
「ああ。」
「きっと驚いて目を丸くしますよ。」
『…泣いちゃうかも…。』
「「「ぷッ、」」」
『嘘ついてごめんね、って言わなきゃ…。』
「あはは、そうじゃな!」
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