審判

一行は船を買い取り、紅海を渡ってエジプトへ向かっていた。船の操縦はじょ背うふが行っていたのだが、その隣に立っていた承太郎が、異変に気付いた。船はどうやら目の前に見えている島に向かっている。

「理由あって、今まで黙っていたが、エジプトへ入る前にある人物に合う為に、ほんの少し寄り道をする…。この旅にとってものすごく大切な男なんだ…。」
「『大切な男』?あのちっぽけな島に住んでいるのか?」

船は島に到着した。島は小さな島である上に人の住んでいる気配が見えない。しかし、ジョセフは、目的の人物がここにたったひとりで住んでいると言い切った。

「インドで「彼」は私にそう教えてくれた。」
「え?誰ですって!?「彼」ってだれですか?」
「なに?インドでカレー?」

そんな会話をしていた時、承太郎が何かに気付く。

「おいおい、そこの草陰から誰かがおれたちを見てるぜ。」
「え?あっ、逃げるぞッ!」

一行の前から走り去った男。その後ろ姿はどこかで見たことがある。一行は急いで後を追った。男は古ぼけた家の前で鶏に餌をやっていた。

「何者なんだッ!」
「あのうしろ姿はッ!まさかッ、あの男はっ!」
「待て!わしが話をする。みんなここにいてくれい。」

そう言うとジョセフは男に話しかけた。

「わたしの名はジョセフ・ジョースター。この4人とともにエジプトへの旅をしているものです。」
「帰れッ!話はきかんぞッ!」

男は振り返った。

「帰れッ!」

その顔は、アヴドゥルそっくりだった。

「まっ、まさかッ!」
「アヴドゥルの父親だ。」
「父親、」

ジョセフは、アヴドゥルの父親を説得するために、一人で家の中に行ってしまった。いつの間にかポルナレフはどこかに行ってしまった。

「僕たちはどうしようか。」
「…中にはいるぜ。」
「…そうだね。行こう、春乃妹。」
『うん…。』

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涙の壺



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