死神13

「みんな忘れている。いたということさえおぼえていない。「スタンド」…。変わった「スタンド」だ。だがぼくはおぼえているぞ。夢の中に「スタンド」を持ち込んだのはぼくだけのようだな。」
『…やっぱり、この赤ちゃんがスタンド使いだったのね…。』
「春乃妹?」

春乃妹は昨晩のことを花京院に話した。

「…そうか。怖かったね。大丈夫、きちんと赤ん坊にお仕置きするよ。」

花京院はスプーンを手に取ると、あろうことか赤ちゃんから外したオムツから―――を掬うと、ベビーフードに入れてしまった。

『あ…、』

春乃妹は目を見開いた。花京院は容赦なく掻き混ぜた。

「おっ、花京院。ベビーフードまで作ってくれとったのか!どれ!!昨晩は食べてくれなかったが、もうハラすいとるだろーっ。」

そう言うと、ジョセフは花京院からスプーンを受け取り、赤ん坊の口元に近づけた。

『おじ様、それ…、』
「春乃妹、しーっ。」
『…お兄ちゃん…、』

赤ん坊はベビーフードを拒む。見かねたポルナレフが赤ん坊の体をくすぐった。驚いて口を開けた赤ん坊。その好きに、ジョセフはスプーンを赤ん坊の口に入れた。

「ウッガーッ!!」
「チャン♪チャン♪」

それから、赤ん坊は次の町の病院に運ばれたとさ。めでたしめでたし。

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涙の壺



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