死神13

「こーかな、これでいいのかな…?」
『…こう、じゃない…?』
「ま、いい事にしよう!春乃妹、ちょいとタオルのハシっこもってくれ。ピンでとめるから。」
『…うん、』
「う…、うっうっう〜、う〜〜〜む、」

魘されているのか、先程から花京院が声を上げている。それを見て春乃妹が首を傾げる。つられてポルナレフと承太郎が振り向いた時だった。

『お兄ちゃん…?』
「?」
「うわああああああ、やめろッ、やめてくれッ!」

花京院が突然暴れ出した。

「どうした、花京院!」
「なんだなんだ?」
「やめろーッ!」
「うああ、しまった、操縦桿を!」
『お兄ちゃん、落ち着いて…!』

花京院を止めようと、その体にしがみつく春乃妹。しかし、それはいとも簡単に解かれてしまう。

「ひょっとして、墜落するのか?…このセスナ。」
「ポルナレフッ!花京院をおとなしくさせろッ!」
「ああ!春乃妹、こいつを頼む!」
『うん…!』
「ジジイ!早く操縦桿をもとにもどせッ!墜落するぞ!」

飛行機は更に傾いて、地面へと向かっていく。春乃妹は赤ん坊を抱きしめた。

「“隠者の紫”で操作するッ!」

ジョセフが隠者の紫でハンドルを戻すと、期待は地面スレスレで安定した。

「あっあぶねーっ!」
「間一髪たてなおしましたッ!」
『…ふぅ…、』
「みんな見たかーッ、どんなもんですかいィィィーーッ!わしの操作はよぉー!!」
「おい!」
『あ…、』
「あっーっ!」

[ 80/134 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]

涙の壺



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -