この後どう?

結は学校終わりに、コンビニに寄っていた。ジリジリと日が照り、外にいるだけでも汗が頬を伝う。店内に入ると、クーラーの冷気がひんやりと結の身体を包んだ。

『ふぁー…、涼しい…。』
「あれェ?結じゃないか!こんなところで会うなんて奇遇だね?」
『あ!メローネ先輩!こんにちわ!』

結は小さく頭を下げる。メローネは結の近所の先輩だ。そんなメローネの手には、明らかに成人ものと思われる雑誌が。結は見なかったフリをしようとしたが、頬はうっすらと赤く染まってしまう。メローネはそれに気付き、あえて結に見えるように雑誌を開いた。

「ねえ結、この女、結はどう思う?」
『え、え!?な、なんですか先輩…!?!?』

結が後ずさる。メローネはそんな結を追いかける。店員は見ないふりを決め込んでいる。ドンッ、と追い込まれたのは雑誌コーナーの奥にあったトイレだ。メローネは店員が注意しないことをいいことに、結をトイレの中に連れ込んだ。

『わ、わ、ちょ、せ、んぱい!?!?』
「結、さっきの店員、おれたちの会話聞こえてるのに、なんで何も言わないんだろうね?」
『知りません…!ていうかどいて下さい…!!』
「んー?ヤ、ダ、」

メローネが結を壁に追い詰める。雑誌を持たない手で、結の後ろの壁を押さえた。結の肩が跳ねる。メローネの顔がどんどん近付いて来る。結は真っ赤になった顔でメローネを睨むが、それは彼を煽る材料になるだけだ。メローネの顔が更に近付く。鼻先が触れそうになり、結は目を瞑った。しかし、結がいくら目を瞑っていても、メローネが結に触れることはなかった。そして、

【ピロリロリン♪】

『…ぇ…?』
「んー…、今の表情、ディ・モールトそそる…!新しい待ち受けはこれにしよう!あと、今日のオカズもこれかな…うん。」
『…あの、』
「よし、家のパソコンにもデータを送信した!さ、帰ろうか結!」
『…メローネ先輩…、』
「ん?どうしたの?帰ろうよ。あ、アイス奢るよ?」
『…、』
「…もしかして、キスされると思った?」
『…ち、違います…!』
「ハハハ!そんな真っ赤な顔で否定されても、説得力がないなァ〜…、」

再び近くなった二人の距離。結の肩がピクリと跳ねる。メローネはくすりと笑うと、結の手を取り、トイレを出る。持っていた雑誌を棚に戻すと、棒つきアイスを二本手に取りそのままレジへ。支払いを終えると、持っていたアイスを結に渡した。

「これ、好きだったろう?」
『あ…、』

それは、結の好きなアイス。小さい頃、一緒に食べていたものだ。

『…覚えてたんですね…、』
「勿論!結の事なら何だって知ってるよ。」

袋を開けて、アイスを咥える。メローネは結の肩に手を置き、笑顔で耳元でささやいた。




この後どう?
 おれの家に来ない?

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