「うぉおおおお!なんだこのグミ、口の中ではじけるなんて…!!」
人目も気にせずグミに感動している花子を発見。…アイツどんだけグミに感動してんだ。馬鹿じゃねーのか。
「お前何してんだよ」
「あ、静ちゃん!」
「あぁ?その呼び方やめろ、っつっただろ」
「ねぇ静ちゃん聞いてよ、このグミ口の中でぱちぱち!って弾けるんだけど!これが近未来?!最先端医療?!」
「………」
あぁ、もうコイツは何がいいてぇかまったくわからねぇ。っつーか、最先端医療って病院じゃねぇんだぞ、ココ。
ぱちぱちグミ
「ってことで、静ちゃんにもハイ!」
そういって目をキラキラ輝かせながらグミを押し付ける花子に、断るわけにもいかずグミをいただいた。
「………さんきゅ」
「どういたしまして」
へらっと笑うコイツに何故かいらっとして、頬をつねってやった。
「いひゃひゃひゃひゃ?!何、おほっは?!」
「……何言ってんのかわかんねぇよ」
「ははひへ!ははひへ!」
涙目で懇願してくる花子に、さすがにこれ以上は可哀想だと離してやった。頬を真っ赤にさせながら、花子は俺を見ると、「……グミあげたのにこの返しって…」なんてぶつぶつ呟いている。
「…?このグミ、何味だ?」
「焼きそば!」
ゴンッ!
思い切り花子の頭を殴れば、花子が半泣きになって「なんで〜?」と頭を抱える。はじけるグミっていうのがもう意味わかんねーけど、焼きそば味ってどんだけ気持ちわりーんだよ。普通はぜってぇーかわねぇだろ。
「……返す」
「えぇ?!何で?!」
「食べれるかこんなもん」
「そんなー…美味しいのに、静雄にはまだ早かったか」
何が早いんだ。わけがわからないが、とりあえず花子の小さい手にグミを返した。
ちょっと残念そうな花子の顔を見て、やっぱり食べたほうがよかったのか――と少し後悔しそうになったが、焼きそば味のグミって誰だって食べたくねーよな。と開き直ることができた。
「………お前って、アホだな」
「え?」
「なんでもねぇ」
グミを食べている花子の頭をなでると、花子が幸せそうに笑った。