鈍感な2人
「どうした?田中。うかない顔をしてるじゃないか」
「あ…コケシ先生」
「……俺の名前を間違えちゃうほど、やばいみたいだね」
そういって苦笑いをするカカシ先生。
「俺でよければ話し聞くけど?」
「……いいんですか?」
「まぁ、可愛い教え子だからね」
そういうとカカシ先生は私の頭をなでる。…なんていい先生なんだ!
「あの、ですね。……最近、私、頭がぼーっとして」
「それはいつものことじゃない」
「失礼ですね。違いますよ!そうじゃなくて、その、ですね…」
「?」
「な……」
「……な?」
「な、ななな、ナルトが、何か…輝いて見えて!」
「………」
「で、出会ったころは、あの、むしろ苦手だったんだけど、でも、ナルトが成長していくのを見てたら、すごくかっこよく見えて」
「………」
「わ、私頭おかしいのかな?みたいな。最近、まともに目もあわせれなくて、どうしよう…って。サクラと話してるところ見てたら胸が痛いし、ヒナタに対してもなんか後ろめたくて…」
「………はぁ。つまり、恋、ってことね」
「………え?」
そういって顔をあげればカカシ先生が呆れたような顔をしていた。何でだ!
何でその顔なんだ!やめてよ、その『聞かなきゃよかった…』みたいな顔!
「とりあえず、ナルトなら今そこの一楽のラーメン食べてるから」
「……え?」
「(めんどくさいし)いってきなさい」
どんっと背中をおされ、慌てて後ろをふりかえったらカカシ先生は風のように消えていた。
「カカシせんせー…って、あれ?カカシ先生いねーじゃん」
「………!」
「あ。花子じゃねーか。そんなところでつったって、何してるんだってばよ?」
「あ…あ、あ、あ、あの…その」
「?何だお前。ヒナタみたいだな」
じゃあ、俺ラーメン食ってるからよ。またな!なんて言ってナルトは戻っていった。
……この恋、成就する気がしない。
「(あーあー…ナルトも花子のこと好きなのに、どうしてあんな態度とるかなー…)」
カカシは全てを知っていた。