魔王のご飯

 お城は冬を迎え一面の雪化粧を迎えた朝、ガスマスクの着膨れした背中を見送った魔王はトマト缶を片手にキッチンへと向かったのだった。ガスマスクがどこからか覚えてきた歌を口ずさみながら鶏肉を一口大に、泣きになりながら玉ねぎを薄切りにしたらブロッコリーは固めに別ゆでし準備しておこう。鍋で玉ねぎと鶏肉を...ああそうだ、しめじもあったな!それも入れてじっくりと炒めてしまおうか。さっきまで鼻にツンときていた玉ねぎは甘く香ばしい匂いをさせている。トマトが煮崩れするまでじっくりと煮込んだらコンソメと牛乳を入れてとろみが出るまでまた待つ。
 ふと、外を見ると真っ白な雪が珍しいのかガスマスクはゴロゴロ転げ回ってい楽しそうにしている。見てるこっちは寒いが...毛糸が余っているからまた何か作るか...
 何を編むか考えながら別ゆでしていたブロッコリーを入れて塩コショウで味を整える。グツグツという音とトマトの甘酸っぱい香りが部屋中に漂い温かい気持ちになる。あとはパンを焼いてお昼にしよう
 
 「ガスマスク!お昼ができたから戻っておいで!」
 「!」


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