雨上がり2 先程から何事にもやる気が出ないのは、きっとこのもう何日も降り続いている雨の所為。 勉強をしていても雨音がして集中できないし、気分転換に外へ散歩に行こうとしても、外は今言った通り雨の所為で出ていくことが出来ない。 幾日も見ていない太陽がそろそろ恋しくなってきた。 嗚呼、早く太陽よ出てこい、と空に暗示かけていたところに、 「ご主人様どうしたんですかー?」 「ん、ああアニか。」 アニ、と呼ばれたブロンドの髪をした美しく可愛らしい少女は窓から目を離さない弥咲の隣に座る。 「いや、ほら最近雨ばっかりだろ?そろそろこのいやな天気が終わんねーかなって思って。」 「いやですか?この天気。」 「いやに決まってんだろ。」 雨を好む奴なんかほとんどいないと思う。 髪は濡れるし、寒いし、下手したら泥が跳ねるかもしれない。 そう考えると極力こういった天気のときは外に出たくない。 そんな悪い条件しか揃っていない天気なんか好きになれるわけない。 と、いうか絶対好きになんかなりたくもない。 「でもアニはこの天気好きですー」 ニコニコと微笑みながらアニが弥咲に言う。 「はあ?何でだよ?こんなにジメジメしてていやじゃねえのか?」 「だって、アニとご主人様はこんな天気に出会ったじゃないですかっ!私ご主人様に会えて本当に嬉しいんです!だから雨きらいじゃないですっ!」 キラキラとした瞳でそう言ってくるものだから、何だか此方が面食らってしまう。 ーでも確かにあの日はこんな雨だったな。 ぼんやりとまた窓の外の景色を見てそう思った。 「…でもよ、アニ。」 「はい?」 「俺はやっぱり晴れが好きだ。だって、見ろよ。」 ほら、と弥咲は窓の外を見るようにアニを促す。 「…わっ…わあー!ご主人様!あれっ!すごく綺麗です!七色ですっ!」二人の目の前に広がる景色は雨が上がったからこそ見れる景色。 「虹、だな。」 さっきまで重々しい雨を降らせていた雲は散り散りになり、雲の間からは光が差し込んでいた。 そしてその光は虹をつくりだしていた。 「な?晴れもいいだろ?」 アニと出会った時に降っていた雨もいいかもしれないけど。 「はい!私この光大好きですっ!」 やっぱりこの目の前に広がる虹に勝るものはないな、と感じた。 光が紡ぐ景色 (きっとこの景色は僕らにとって忘れられない思い出になる。) end. 胡蝶様に書いていただいた片翼です。 何よりも創っといてなんですが、アニが可愛いですっ!! この、ご主人様である弥咲に一途な感じがもうっ……………← それに私が書くよりかは、弥咲がちょっとばかしワイルドです(笑) 素敵な書き合い、本当にありがとうございました!! |