今日は、3




思いきって、言ってしまった。
まぁ、いいけど。
なんとかなる、って適当なのは、O型の象徴だ。


「そういえばさ、これってどこの?」


透けて見える中身は、ラッピングから綺麗で美味しそう。
この辺りのは食べ尽くしてると思ったのに……。
悔しいから、聞かないと納得がいかない。
ん?と彼はさらりと答える。


「あぁ、それ、俺の手作り」


えっ………!?
多分、私、間抜けに口を開けてた。


「失礼だな、味は保証するぜ」


だから、ムッと彼は眉間にシワを寄せる。
なんだか違う風にとられてしまったから、慌てて弁解した。


「いやっ、その、丹羽くんが料理が上手いなんて知らなくて」


ビックリして…とドンドン語尾が小さくなった
余計言い訳がましくなってしまった気がする。
だから、微妙な空気に……。
気まずい。
非常に、気まずい。
ポケットに入れた手が無い逃げ場を探して、ゴソゴソと中を漁る。



「あっ、虫」



「えっ、嘘っ???」

私は慌てて手を出して、彼が見ていた自分の髪を軽く叩く。

「嘘」

うん、やっぱり嘘かぁ。
って、う、うそっ!!??
と思ったすぐに、片方の手を握られる。

「って、手を繋ぐ口実だったりすんだけど」

と彼は笑った。
もう片方の手は、ゆっくりと降りていく。
…………………いけない。
それは、反則だ。
それは、せこい。
赤くなる顔を必死で押さえて、熱を冷ます。
繋がれた手から熱がバレてしまいそう。



どうやら、ここもいつの間にか周りに負けないくらいピンク色だったみたいだ。




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