ゲームセンター編・下
(会話メイン)
クイズで遊んだあと、舞はすっかり上機嫌だった。
次は何やる?とまだ遊ぶものを探しているのを見て、佐々木は溜息をついた。
「いい加減にして下さい。自分の立場をお忘れですか?」
「・・・はいはい、帰りますよー」
「休日に出かければいいでしょう。何故仕事が溜まりに溜まった日に・・・」
「休みなんてないよ」
「・・・・・・・・・」
「・・・え、何その顔。私休みないよ」
「ああ成程、エリートジョークでしたか。エリートなのに気づけなくてすみません」
「君はたまに会話ができなくなるね」
「車を手配します。ついでに色々報告もあるので大人しく待ってて下さい」
「うん、分かった。電話してる間クレーンゲームリベンジしてきていい?」
「・・・取れなくても私が戻ってきたら終わりにして下さいね」
「ありがとう!」
「んー・・・白うさぎもう一個欲しい・・・・・・ああもう!何で取れないの!」
「おねーさん、何してんの?それ取ってあげようか?」
「知り合いかと思えばモブか」
「モブって!いや分かりやすいけど!」
「ごめんね。君の力に頼らずに自分の力で取りたいんだ」
「そんなこと言わずにさ。じゃあ別のゲーム一緒にやらない?」
「人を待ってるんだ」
「いや、ほら、一緒に遊ぼうって」
「あああああ!!クレーンゲームやってる人間の腕掴むってなんなの君!ありえないよ!しかも爪食い込んでるし!」
「え、あ、・・・す、すみませ・・・・・・ヒィッ!!」
「―――誰の許可を得てその人に触ってるんですか?頭ブチ抜きますよ。罪状は・・・迷惑防止条例とかでいいですよね。ハイ逮捕」
「ええええええええええ!?」
「佐々木君・・・ありがとう。でもその人は逮捕しなくていいよ。ごめんね、初めて声かけられたから舞い上がっちゃって」
「は、ははは・・・い、いえ、なんか・・・すいません・・・」
「その顔覚えましたから。次何かやらかしたら私のありとあらゆる権力使って貴方を社会的に抹殺するので」
「ああかわいそうな人・・・でも助かったよ」
「全く・・・総監から目を離すと本当にロクなことがありません」
「じゃあずっと見ててよ」
「・・・・・・・・・、帰りますよ」
「・・・意気地なし」
「異三郎、遅い」
「すみませんのぶめさん。総監が駄々をこねたもので」
「・・・、佐々木君。私はこのまま歩いて帰るよ」
「は?何を仰るんですか。ここから本庁まで1時間以上はかかりますよ」
「いーのいーの。たまには電車とか使ってみようかなーって」
「総監!」
「・・・ごめん。」
「・・・のぶめさんが謝ることではありませんよ。今度は何が気に入らなかったのか・・・」
「・・・異三郎、鈍い」
「は?」
「ああ総監、やっと戻っ、えェェ?何泣いてるんですかねェ。オジサンに説明しちゃあくれませんかね」
「・・・なんでもないよ。仕事サボってごめんね、ちゃんとやるから怒らないで」
「はぁ。あのォ〜・・・佐々木は?」
「・・・・・・・・・しらない」
「この腐れエリートォォォ!!総監に何したんだテメェェェ!!」
「松平公、貴方までサボりですか」
「3数え終わる前に話「ゲームセンターに行きたいと駄々をこねたので連れて行きました」
「・・・成程なァ・・・ああそういうことか、オジサン心配しちまったよォ〜」
「私だけが置いて行かれてるんですが。どういうことか説明して下さい」
「後は若いもんで頑張りな。なぁ信女ちゃんよぉ」
「異三郎、頑張って」
「・・・・・・」
「・・・もしもし、周藤です」
『こんばんは、サブちゃんです』
「どうかした?」
『どうかした・・・まぁどうかしています。総監のせいで』
「・・・」
『・・・正直、何故総監が怒っているのか理解できません。至らないエリートですみません。理由を聞かせて下さい』
「・・・やだ」
『教えてくれたらサボるのに一度だけ付き合います』
「、・・・佐々木君が、のぶめさん、って。私のことはずっと総監、って呼ぶのに」
『・・・え?』
「・・・なにその反応。素直に教えたのに」
『は・・・あ、いえ・・・すみません。予想外にストレートだったので。では何とお呼びすれば』
「舞、がいい。佐々木君のほうが年上なんだから呼び捨てで敬語無しにしてよ」
『それだとエリート失格なので敬語だけは勘弁して下さい。・・・では名前呼びするのは、次の"サボり"のときにでも』
どうしようもない上司
(思わせぶりな態度とサボり癖は直させないといけませんね)
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